カスハラと企業の対策に関する調査結果が発表 – 離職率にも影響
マイナビニュース / 2024年6月17日 6時17分
「お客様は神様です」というフレーズを最初に使ったのは国民的歌手の三波春夫さん。いつしか、このフレーズが独り歩きし、接客する際のバイブルになった。
しかし、顧客が自分を神様と勘違いしたことで、過剰な要求や暴言、威圧的な態度といったハラスメントが社会問題化している。
そこで、パーソル総合研究所の「カスタマーハラスメントに関する定量調査」の発表会を取材した。
サービス職のカスハラ経験率は35.5%
「セクハラ」「パワハラ」「マタハラ」に続き、「カスハラ(カスタマーハラスメント)」に対する社会的関心が高まってきた。
今年2月には、厚生労働省がカスハラ対策の企業マニュアルや啓発ポスターを作成したほか、東京都でも防止条例を制定する動きがある。
発表会は同研究所の上席主任研究員である小林祐児氏の現状の調査報告からスタートした。
「調査の結果、顧客折衝があるサービス職のうち、35.5%が過去にカスハラ経験があり、さらに20.8%が3年以内に経験したと回答しました」(小林氏)
ニュースでよく取り上げられるようになったことから、カスハラが増えているとは感じていたが、実に1/3が経験していたわけだ。パワハラやセクハラと同様、社会として対応が必要なことは論を待たない。
カスハラ経験と離職率に見られる相関関係
この調査のユニークなところは、同研究所が人材サービスを展開する企業のグループだけあって、カスハラ経験と離職率の関係に目を向けているところだ。
「被害経験のある人に、ここ3年の経験の増減を聞いたところ、32.6%が『増加』と回答しました。また、職種別にカスハラの経験率と離職率をマップ化してみると、介護職や宿泊サービス、受付・秘書は経験率と離職率がともに高いことがわかりました」(小林氏)
では、増えている原因はどこにあるのだろか。小林氏は、こう考察した。
「ひとつが社会全体の孤独・孤立化、いわゆる『ローン・ウルフ型犯罪』と言われるものです。2つ目がSNS ・情報通信機器の発達、3つ目が高齢者犯罪の増加、そして4つ目が消費者側の権利意識の高まりです。なかでも、4つ目はロングトレンドになっています」(小林氏)
権利意識の高まりが増加の原因になっているのは、他のハラスメントも同様だろう。忘れてならないのは、権利の行使には責任が伴うこと。カスハラの場合は、権利の濫用になっているケースが少なくない。
※ローン・ウルフ(一匹狼)型犯罪とは、一般人がインターネットなどで得た情報から過激化して罪を犯すこと。
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