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東奔西走キャッシュレス 第53回 地方のスーパーでクレジットカードが増える? TISとナッジが提供する新たなサービス

マイナビニュース / 2024年6月13日 11時56分

そうして提供されたのがTISの「PAYCIERGE」(ペイシュルジュ)サービスです。デビットカードやプリペイドカード、クレジットカードの発行、QR決済の導入など、ニーズに応じてサービスを提供するSaaS型のサービスとなっており、その1つのメニューがクレジットカードプロセッシングサービスです。

このクレジットカードプロセッシングは、クレジットカードに関するフルスペックのサービスを提供するというもので、ドコモのdカードのように大がかりな投資が必要である反面、一から金融/決済システムを構築する必要がないため、新興の決済事業者などが参入しやすくなります。新興のクレジットカード事業者でいえば、例えばメルペイのメルカードが成功例にありますが、こうした数百万以上の会員が狙えるような大規模な事業者に適したメニューです。

それに対して、今回TISとナッジが協業したのが、PAYCIERGEの1サービスとしての「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」です。フルのクレジットカード事業を展開するのは困難だけれど、一定のユーザー数が見込めるといったニーズに応えるサービスだとしています。

もともとナッジは、TISのPAYCIERGEの中からVisaネットワークへの接続機能を利用しているそうです。それ以外のUIやUXを含めた多くのカード事業向けの機能は独自に実装したものだと言います。

こうした機能の作り込みにはノウハウも必要で、そうした金融事業の基盤がない事業者でも、TIS側でもスマホでカードを発行していつでもスマホで残高を返済できるといったナッジの仕組みに注目していて、今回、提携してTISのメニューとしてサービスを構築したとのこと。

提供されるのは、ナッジと同様にスマホ完結型のUI・UX、自由な返済といった、比較的ユーザーの利用頻度の高いサービスや利便性を考慮した機能に絞ったサービスになります。

「フルサービスに対するライト版サービス」の位置付けですが、単純にフルのサービスを省略したのではなく、ナッジがサービスを構築するにあたってそぎ落として厳選した機能をライト版として提供するイメージです。

マイクロサービスとして構築されているため、機能の一部を追加したりカスタマイズしたりも可能で、例えばスマホアプリだけでなくPCからもWeb明細を取得できるようにしたい、といった個別のニーズにも応えられるそうです。

繰り返しになりますが、こうしたライト版サービスが適しているのは、一定の会員数が見込めるけれどもフルのクレジットカードサービスまでは対処できない、という規模の中堅事業者だと見込まれています。数十万規模の会員数になれば事業性が成り立つというのがライト版の位置づけだと、両社は言います。例えば地方で10数店舗を抱えるスーパーや、小規模の鉄道事業者などの規模感でしょうか。

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