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中小でもできる!ITブランディング 第26回 中小企業がブランディングに成功する「秘策」とは~Zenken 本村取締役

マイナビニュース / 2024年6月17日 7時0分

インターネットの普及を背景に、現在はITブランディングの重要性が高まっています。WebサイトやSNSなどを駆使して商品やサービスを市場に浸透させ、「顧客をどう満足させられるのか」を明らかにしていくことが重要です。

日高:これまでのインタビューで、特に印象に残る企業ブランディングの事例はありますか。

本村:ブランディングに成功している中小企業は、自社の理念や使命を明確にし、社員に伝えていると感じます。例えば、デジタルプロダクトの受託開発を行っているビビッドソウル(東京都 文京区)は「思いやりのモノ作り」という企業理念を掲げ、顧客はもちろん社員や取引先も笑顔でいられる世界を創造することに重きを置いています。大手企業と比べてネームバリューが低い状況でも、そんな「企業理念」に引かれて、一緒に仕事をしてみたいと多くの新規取引先が開拓できているそうです。

医療向けの遠隔画像診断サービスを提供しているワイズ・リーディング(熊本県 熊本市)は、「医療の質を守る、人の命を守る」という企業使命を明確に打ち出しています。ブランディングが社内で浸透していることから、社員は同社の仕事に携わっていることを誇りとしています。ブランディングが社員のモチベーションの向上や人材採用に良い影響があると感じました。

日高:中小企業へのインタビューではブランディングの失敗例も聞いてきました。失敗するパターンはありますか。

本村:ブランディングの失敗例と聞いて多くの人が頭に思い浮かべるのは、大金を出して広告を出したが認知度が向上しなかった、というケースだと思います。しかし、実際にはブランディングは社内浸透がうまくいかずに失敗する例が多いと考えています。

ITを駆使してブランドイメージを社外に打ち出しても、実態が伴わなければ、消費者の信頼を損ねてしまいます。企業姿勢を明確にし、営業現場や経営サイドにそれを浸透させる仕組みづくりが重要です。

例えば、音声合成ソフトの制作などを手掛けるエーアイ(東京都 文京区)では「Next10推進室」という部署を設置。PRや営業、研究、開発など社内を巻き込み、事業開発やブランディングをしています。中小企業ではPRやIRの担当者が孤立してしまうケースも多いのですが、全社で横断的にブランディングを形成する仕組みができていることが強い推進力を生んでいるのだと思います。

また、振動乾燥機の国内生産約8割のシェアを誇っている中央化工機は、インナーブランディングに力を入れています。当初はなかなか社内に浸透しませんでしたが、状況を打開するために経営者が自ら陣頭指揮をとったことが奏功しました。経営陣が旗振り役となってブランディング形成に取り組んだ結果、社内に参加意識が高まったそうです。

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