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アレルゲン食品であるナッツ類も粉末化などの工夫で離乳食初期から安全に摂取が可能、NCCHDが確認

マイナビニュース / 2024年6月14日 23時1分

画像提供:マイナビニュース

国立成育医療研究センター(NCCHD)は6月13日、食物アレルギーの発症予防のために、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんに対してナッツ類を含むアレルゲン食品を0歳から離乳食として早期摂取できるかを評価するため、卵、牛乳、小麦、ピーナッツ、クルミ、カシューナッツを生後6か月頃の離乳食初期から少量ずつ摂取することと、ピーナッツやナッツ類は、窒息や誤嚥をさけるために、そのものではなく市販のパウダーやペーストを利用して離乳食に混ぜるように指導した結果、実験に参加した34名の赤ちゃんが全員、2歳までには卵、牛乳、小麦の摂取が可能であり、ピーナッツやクルミも窒息や誤嚥を起こすことなく約8割の乳幼児が摂取可能であることが確認されたと発表した。

同成果は、NCCHD アレルギーセンター 行動機能評価支援室の山本貴和子室長(総合アレルギー科併任)、NCCHD アレルギーセンター 総合アレルギー科の原間大輔専門修練医らの共同研究チームによるもの。詳細は、「Nutrients」に掲載された。

食物アレルギーは、一歩間違えると死につながることがある。近年では、ナッツ類のアレルギーが増加傾向にあり、アナフィラキシーなどの重篤な症状を来すリスクも高いという。同じ食物アレルギーでも、卵や牛乳は、離乳食の初期から少量ずつ摂取させることで、アレルギーの発症の予防につながることが、これまでの研究から報告されている。

海外では離乳食においてナッツ類やピーナッツをペーストにして与えることが一般的に行われていることから、離乳食のガイドでも早期摂取が推奨されているという。それに対して日本では、ピーナッツやナッツ類をそのままの状態で乳幼児期に摂取することは誤嚥や窒息のリスクにつながることから、5歳ごろまでは摂取を控えることが一般的とされている。そこで研究チームは今回、日本における早期からのピーナッツ、ナッツ類の摂取方法の適正化を推進するための研究を行うことにしたという。

2020年8月から2021年2月までにNCCHD アレルギーセンターに来院したアトピー性皮膚炎の乳児34名を対象に、卵、牛乳、小麦、ピーナッツ、クルミ、カシューナッツを生後6か月ごろの離乳食初期から毎日の離乳食にパウダーまたは滑らかなペーストの形態で少量ずつ混ぜて摂取することが指導された。なお、粒が粗くなることで窒息や誤嚥を起こさないよう、市販の滑らかな製菓材料を使用するよう指導が行われた。摂取については、各家庭や子どもの状況に応じて任意で進める形式で、各摂取量は受診の度に確認がなされた。

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