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基地局出力アップの瞬間をこの目で確認、KDDIのSub6エリアが関東で2.8倍に拡大 - KDDIが5G(Sub6)エリアの拡大と通信品質向上についての説明会を開催

マイナビニュース / 2024年6月15日 6時21分

さらにもうひとつ、Sub6エリアでは前述の干渉防止のため、アンテナの角度もやや下向きに調整し、狭い範囲をカバーするように設定されていました。これも制限解除により、もっとも効率よく利用できる角度に最適化することができるようになります。この効果もあって、関東のSub6エリアは1月末比で2.8倍まで広がったわけです。ちなみにこの角度の制御はリモートで行えるそうです。

なお、今回の計画によるSub6エリアの拡大が「関東エリアで2.8倍」「全国で1.5倍」と一様でないのは、ひとつには衛星通信への干渉を避けるための出力制限を行っていたのが東京・大阪・名古屋などの都市部を中心としていたためとのこと。衛星通信の設備がない地域では従来より制限を行っておらず、関東では衛星干渉条件緩和の恩恵を大きく受けることになったそうです。また、Sub6エリア拡大には前述のように基地局の建設が進んだことも要因となっているため、この期間における基地局建設の多寡も影響しているそうです。。

衛星干渉条件の緩和の恩恵を受けるのはKDDIだけではなく、例えばソフトバンクもこれをアピールしています。それに対しては、前述のようにKDDIが業界最多の基地局を持っていることから、出力制限終了の恩恵をもっとも大きく受けられると話していました。

KDDIでは基地局整備にあたり、鉄道・商業地域など多くのユーザーの生活動線上にあるスポットを優先していますが、今回のSub6エリア拡大によってもそういったスポットが大きく恩恵を受けており、鉄道駅では5G対応している707駅のうち612駅がSub6化。商業地域でも5G対応が423スポットのうち363スポットがSub6化しているそうです。

このSub6エリア拡大においては、単に「カバーする」というだけでなく、「十分な電波強度でカバーする」ということも意識しているようです。それをあらわすのが次のスライドで、濃いオレンジであらわされているのが-100dBm以上の電波強度になっており、車内や屋内でもSub6を利用しやすいとするエリア。ベージュで示されている、Sub6ではあるが電波強度が-100dBmに及ばないエリアも多いですが、他社と比較してオレンジのエリアが広くなっているというデータです。

なお、5Gサービスが開始された際に「弱い電波の5Gにつながってしまったせいで4Gよりもむしろ遅い」という現象がありましたが、4G転用5GとSub6の間でも同様なことはおこるようです。このあたりは、Sub6の電波がかろうじて届いていても無理にSub6で接続するのではなく4G転用5Gに接続する、というようなチューニングを行っているとのことで、運用の腕の見せ所という感もあります。
○4G転用からSub6への移行で、通信速度は約3倍に

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