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基地局出力アップの瞬間をこの目で確認、KDDIのSub6エリアが関東で2.8倍に拡大 - KDDIが5G(Sub6)エリアの拡大と通信品質向上についての説明会を開催

マイナビニュース / 2024年6月15日 6時21分

ユーザーとして気になるのは、このSub6への移行により、どれくらい通信速度がアップするのかということです。

前田氏の説明によれば、4G転用による5Gでは実効速度が70~100Mbpsのところ、Sub6ではその約3倍の300Mbps超の実効速度が出せるといいます。この速度の違いは、動画視聴を例にとると、70~100Mbpsだと再生開始時に数秒の読み込み待ちがあってから動画がスタートするのに対し、300Mbpsならば画面をタップするとすぐに再生が開始されるという感じだそうです。また70~100Mbpsでは途中で一瞬止まってしまうようなこともありますが、300Mbpsではそういったこともなくスムーズに再生されます。

もうひとつSub6で改善されるのがレイテンシ(通信応答時間)。多くのオンラインゲームで推奨される30ms以下のレイテンシを維持できる率は1月時点でも92%となっており、この6月の時点でも92%で変わらないようですが、さらに快適な20ms以下のレイテンシとなる率が68%から75%に改善されているといいます。

○出力アップを行った瞬間、電波強度が上昇。通信速度も大幅に向上

説明会の後半では屋外に移動して、基地局の出力アップにより、どれくらいのスピードアップにつながるかを見せるデモンストレーションも行われました。

実際に計測した出力アップ前の状態の通信速度は、ダウンロードが72.6Mbps、アップロードが6.10Mbps。電波強度は-110dBm前後で推移しており、先の説明にあった-100dBmという電波強度に届かない状況でした。

それが、コントロールセンターと中継をつないで出力向上を行うと、電波強度は-85~-90dBmと、-100dBmを超えるようになります。その状態で通信速度を計測すると、ダウンロードが307Mbps、アップロードが11.7Mbpsとなり、見事に速度向上が果たされました。

○2030年まではミリ波不要? 今後の5G整備ではインフラシェアや仮想化も活用

KDDIはこれまで、5G導入期としてインフラ投資を積極的に行ってきました。5Gの投資はピークを越えて巡航フェーズに入り、整備した基地局の品質向上や高度化、キャパシティ・スループットの向上などに注力していく考えです。

今後のインフラ整備の方針としては、2030年までは「ミリ波がなければキャパシティが不足する」という状況にはならないという認識に基づき、当面はSub6の拡充を行い、その後にミリ波の環境を整えるという順番になります。ミリ波の普及にあたってはインフラだけでなく端末側の対応、価格低廉化が必要になるため、メーカーとともに業界を挙げて取り組んでいきたいといいます。

インフラ整備にあたっては、ソフトバンクとのインフラシェアによる効率化、仮想化へのシフトなども活用し、コスト低減を図りたいといいます。同社は4G基地局整備にあたり、10年をかけて20万局強を設置しましたが、5Gにおいても同等以上に整備すると語っていました。
(大塚洋介)



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