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『アンメット』はなぜ“リアル”なのか――9話ラストの初挑戦、手術シーン誕生秘話をPが語る

マイナビニュース / 2024年6月17日 11時30分

○静かな手術シーンが生まれたきっかけ

――説明台詞以外が少ないという点は、手術シーンにも表れていると感じます。目のアップ、手のアップ、時計の音、といったシンプルな情報で構成された静かな手術シーンは、これまで多くのドラマで描かれてきた疾走感あふれるダイナミックな手術シーンとは全く違った演出だという印象を受けました。あの手術シーンはどのように生まれたのでしょうか。

まず、『アンメット』は「手術して何かが変わって、すごく良くなった」という変化を描くドラマではないから、手術シーンがエピソードの見せ場、盛り上がりのピークに見せたくないという前提があります。そのうえでどう演出するのかは一つの課題でしたが、昨年末頃、手技の練習のために監修でお世話になっている病院に行ったら、「今手術が入ったから、見学する?」と先生が言ってくださって。人数に制限があったので、僕は見られなくて、杉咲さんと若葉さんと監督が見学したのですが、もう、目からウロコを落として帰ってきました。僕らがこれまで数々のドラマや映画で見てきたイメージで、一言も交わせないくらいの緊張感がずっと続く空間なのかと思いきや、もちろん集中力がグッと高まる瞬間もありますが、役割によっては世間話をしているようなリラックスした時間もあったらしく。監修の先生から「実際はこんな感じなんだよ」と話を聞いていたものの、3人は自分の目でつぶさに見て衝撃を受けたようで、『アンメット』の手術シーンの方向性が決まる大きなきっかけになりました。実際に5話や7話で、準備をしながら餃子の話や他愛もない世間話をするやりとりを入れてみたのですが、これまでにあまり見たことのない、リアルなシーンになったんじゃないかと思います。

――あのやりとりでは、野呂(佳代)さん演じる成増先生がとてもいい味を出していました。

本当は、ミヤビの脳外科医としての手技がすごく速くて上手だということをもっと表現したいんですけど、野呂さんと千葉(雄大)さんの“目”に頼っています(笑)。手術シーンといえば、7話の嗅神経を剥がして腫瘍を切除するシーンで、「“一番”見えました」というミヤビの台詞があって。脳外科医の先生は嗅神経を「一番神経」と呼んでいると聞いて、じゃあ当然ミヤビもそう言うよねということで取り入れました。嗅神経を剥がすことはちゃんと説明したから、視聴者も「一番って何?」と集中力が途切れることにはならないんじゃないかと信じて、やってみようと。リアリティにこだわりながらも、視聴者を置いてけぼりにしないよう、不親切になりすぎないように、紙一重なのですがバランスを取りながら演出しています。

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