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奥田瑛二、「監督の“OK”は何点?」の答え “命がけ”で歩んできた俳優人生

マイナビニュース / 2024年6月19日 19時30分

画像提供:マイナビニュース

●「後ろ姿が見たかった」短すぎるオーディションで『海と毒薬』
74歳にしてますます俳優としての魅力が冴えている奥田瑛二。現在は、杏が主演を務める映画『かくしごと』で、主人公・千紗子が長く絶縁状態にあった、認知症を患う父・孝蔵を演じて、一見したところ奥田だとは分からないほどの凄まじい役作りを披露している。

『かくしごと』は、事故で記憶を失い、体中に虐待の痕のある少年と出会った女性・千紗子が、彼を守ろうと母親と偽って暮らし始めるミステリー。千紗子は父を介護するために長野の田舎に帰郷し、そこで少年と出会うことになる。「スタートラインの真っ白なところに自分を置くため」、介護施設に自ら通って役作りしていったという奥田。そうした役との向き合い方の原点とも言える、熊井啓監督作品の逸話や、自身が、名優・緒形拳を迎えてメガホンを取った『長い散歩』の成り立ちなど、その岐路を聞いた。

○名匠・熊井啓監督との仕事は、映画における自分のベース

――新作『かくしごと』の物語は長野県が舞台で、ロケ撮影もされています。長野県といえば、奥田さんが『海と毒薬』(86年)に始まり幾度も組んできた熊井啓監督の出身県です。熊井監督との出会いは、奥田さんにとって大きなものでしたか?

大学に入って教養課程がありますよね。熊井監督との出会いは、僕にとっての映画におけるそうした期間、最初のベースとなり、とても中身の濃い時間でした。

――『海と毒薬』は社会派の重厚な作品です。単独主演作ですが、当時、プレッシャーを感じることはありましたか?

プレッシャーはなかったです。オーディションだということも知らなかったんですよ。主役に決まっていると思っていました。その頃は35~36歳で『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』(TBS系・85年)などで人気になっていた時期だったので、話が来たらもう決まってると思ってしまっていたんですね。そしたらオーディションでした(笑)。でもあっという間に終わっちゃって。そんな短いオーディションは初めてだったんですけど、あとで聞いたら、監督は僕の後ろ姿が見たかったそうなんです。

――短かったのは、そもそも話ではなく、終わってからの後ろ姿が見たかったから。

そう。正面よりも後ろ姿。「瑛ちゃんがドアを出て長い廊下を帰っていったでしょ。その後ろ姿で君は決まったんだよ」と。『海と毒薬』の本編で、手術シーンから、夜の廊下を打ちひしがれた主人公がいたたまれずに歩いていくシーンがあったんです。そこのイメージが監督には最初からあったんです。
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