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推し活3.0 第7回 「応援したのに裏切られた...」とファンが幻滅する、Web3施策の構造的問題

マイナビニュース / 2024年6月24日 9時0分

株価の論拠となっているのは「将来の収益分配」です。つまり「その株を持っていると将来、配当などで累計100万円をもらえると信じる人が、失敗確率などを色々割り引いた上で、今日10万円でその株を買う」という構造です。

この整理でいうと、IEOやNFTは「将来、累計100万円相当の"特典"をもらえると信じる人が、失敗確率などを色々割り引いた上で、今日10万円で買う」という説明ができます。

この考え方でいうと本来、トークンやNFTの価格は「提供される特典の総額」に基づき決められるべきものであり、少なくとも、IEOやNFTが登場したころに発生したような「創業間もないサッカーチームのNFT/トークンの時価総額が数億円に達する」というようなことはさすがにバブルだった、と評価するべきであり、ファンの幻滅を避けるためには是正するべき問題といえます。
この実勢価格と流通価格のギャップを生み出さないために重要なのが「期待値コントロール」です。現在、Web3施策では特典を明示しないことが常識となっており、それが価格の高騰という景気の良いニュースにつながっていますが、顧客との関係性の観点でいうと間違いなく悪手です。

今後、株式市場での事業計画のように、あらかじめどの程度の特典を用意するのかを明確化し、それに見合った金額を調達したうえで、計画に沿って運用を続けることが健全な顧客関係を構築するための次の"当たり前"となっていくのだろうと思います。
サスティナブルなWeb3施策へ

Web3は新しい概念であるがゆえに、まだまだスピードとトライ・アンド・エラーが非常に重要なフェーズです。その意味では多くの企業やブランドが「予定している」という表現のもと、アジャイルにサービスを展開していくことは致し方のないことだと思います。

一方で、その結果がブランド価値の毀損に繋がっていることもまた間違いのない事実であり、今後是正が求められます。

サスティナブルなWeb3施策に向けて、適切に期待値コントロールされた施策がたくさん生み出されることを期待しています。

伊藤 圭史 いとうけいじ 伊藤 圭史(playground株式会社 代表取締役) 上智大学卒業後、IBMにて戦略/ITコンサル業務を経験したのち起業し、2.5年で売却。 2017年、エンタメ業界のDXを推進するplayground株式会社を設立。エンタメDXクラウド「MOALA」(SaaS)を展開し、国内トップクラスのシェアを持つ電子チケットやライブ配信サービスをぴあ/吉本興業等に提供。ユニバーサルな入場認証技術BioQR*やスマホに押印できる電子スタンプ*、世界初の来場証明NFT等、新技術開発にも注力。 *は特許取得。 この著者の記事一覧はこちら
(伊藤圭史)



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