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ソニーのイメージセンサー新工場は建屋を先行して建設、ライン設営時期は需要動向を踏まえて判断

マイナビニュース / 2024年6月20日 16時43分

JASMは、ソニーセミコンダクタソリューションズが少数株主として出資する形でTSMCが設立した企業で、熊本県菊陽町に工場を立地している。
改善傾向が進むスマホ市場

なお、スマホ向けイメージセンサーについては、2023年度下期から中国スマホ市場が回復基調にあることを指摘。ソニーセミコンダクタソリューションズ 副社長 モバイル事業担当の指田慎二氏は、「中国では年間2億8000万台のスマホ市場があり、なかでもフラッグシップモデルおよびハイエンドモデルの比率が、ここにきて高くなっている。6月においても、この領域が好調で、前年同期比18%増と大きく成長しており、この流れは続くと見ている。当社が得意とする分野であり、今後のビジネス環境は良くなると見ている」とした。

また、ソニーグループのI&SSでは、2024年度からの中期経営計画における設備投資を、前中期経営計画に比べて3割減としているが、「これまでに投資してきたキャパシティがある。これらを活用する一方で、投資は厳選する」とコメントしたほか、「研究開発投資は減らしていない。将来の成長に向けた継続な仕込みを行う」と述べた。

先端技術を強みに量産まで見据えた組織改編を実施

さらに、指田副社長は、同社の強みについて、「CCDの時代からイメージセンサーのビジネスを継続し、スマホのほか、車載、大判カメラ、セキュリティ、医療、FAなど、多岐に渡ったイメージセンサービジネスを展開しており、それぞれの用途にあわせた提案と技術を横展開できる点が強みである。微細化については要望に応じて作り上げている。0.6μmの微細画素の量産も開始し、昨年からスマホ向けに提供している。今後、微細化の要望があれば、それに対応していける」とした。

同社では、世界初となる2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーを開発し、2023年度から出荷を開始している。従来同一基板上で形成していたフォトダイオードと画素トランジスタの層を別々の基板に形成し、積層するもので、画素サイズが小さくても撮像特性を向上させることが可能な点が特徴だ。

指田副社長は、「歩留まりを高める取り組みを進めており、2023年度は数社に納入した。フォトダイオードと画素トランジスタはいずれも自社で開発、生産しており、どちらも自社でやることに意味があり、外に出すことはしない。また、第2世代も検討しており、モバイル向けに導入していく。ハイエンドおよびフラッグシップ向けに提供していく」と語った。

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