母乳からのHIVで子どもを亡くす瞬間に無力感も…FNSチャリティキャンペーン50年、佐々木恭子&倉田大誠アナが語る「伝える」意義
マイナビニュース / 2024年6月23日 8時0分
この成功を受け、「FNSチャリティキャンペーン」は、翌年以降も実施されることに。吉川局長は「50年前にとても先駆的な取り組みとしてスタートし、それが現在まで続いているというのは、当時の担当者の先見の明があったんだと思います」と感心する。
○支援国から気候変動の影響実感
3年目の76年度までアジア全域を支援対象としていたが、77年度からバングラデシュ、ネパール、パキスタンなど、具体的な支援国を掲げ、81年度にはウガンダとソマリアの難民救済でアフリカにも拡大。35年目を迎えた08年度からは、支援テーマを「世界の子どもたちの笑顔のために」に一新し、この年は南米・ガイアナ共和国が対象に加わった。
近年は年度の支援国を1つに絞って活動を展開。サイクロンの被害を受けたモザンビーク、モンスーンによる降雨で国土の3分の1が水没したパキスタン、温暖化で氷河が溶けて洪水が発生したネパールなど、「気候変動による自然災害が、地球規模で起こっているのを感じます」(吉川局長)と傾向があるという。
●“大縄跳び”に入るためインドネシア取材を志願
そうした中で、『おはよう!ナイスデイ』『とくダネ!』『めざまし8』と、朝の情報番組を担当するアナウンサーが支援国を現地取材し、番組でレポートするというスタイルが確立。2005年に志願し、インドネシア、マラウイ、パプアニューギニア、ガイアナの4カ国を取材したのが、『とくダネ!』でMCを務めていた佐々木恭子アナだ。
佐々木アナが志願した1つの理由は、阪神・淡路大震災。実家が全壊するという経験をしたものの、当時は大学生で横浜に住んでおり、知人が亡くなったり、周囲から「毎日悲鳴のような電話を受け取った」りした中で、「ある種の贖罪意識が芽生え、入社して、とにかく現場を取材する人になりたいと思っていたんです」という。
入社4年目で『とくダネ!』のMCに抜てきされるが、「2時間の生放送で、回っている大縄跳びにずっと入れない感覚があったんです。今みたいに丁寧に役割を与えてくれる時代ではなかったので、何も発言できない自分がいました」と壁にぶつかる。そこで、「自分が変わらない限り、一生この大縄跳びに入れない」と思い立ち、FNSチャリティキャンペーンで、スマトラ沖地震による大津波の被害を受けたインドネシアの取材に立候補した。
当時、情報番組の女性MCを長期の海外取材に派遣するのは異例のことで、上層部は「何かあったらどうするんだ」と反対。しかし、取材を担当する女性ディレクターが「私に行けと言っておきながら、佐々木アナは行かせないって、どういうことでしょう?」と交渉してくれ、無事取材に行けることになったそうだ。
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