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『細かすぎて伝わらないモノマネ』他の追随を許さない圧倒的な強みと、くすぶり続ける3つの不安要素

マイナビニュース / 2024年6月26日 11時0分

●ものまね特番から「笑い」が減少
逆に、昭和・平成の『ものまね王座決定戦』(フジ)や『ものまねグランプリ』(日テレ)の軸となっていた笑いを誘う“デフォルメありき”のものまねは散発的になった。

長年ものまね特番を盛り上げてきた、ものまね四天王、原口あきまさ、ホリ、ミラクルひかるらの系譜を継ぐ新星も見当たらない。『千鳥の鬼レンチャン』(フジ)の「サビだけカラオケ」に出演するような松浦航大、よよよちゃんなどの“歌うまものまね”が目立つ構成・演出に変わっている。

これはYouTubeやTikTokなどネット上の動きを踏まえつつ、若年層の個人視聴率を取っていく上での戦略であり、一方で炎上を恐れてデフォルメものまねをする芸人が減ったことの影響もあるのだろう。

いずれにしても、笑いを誘われるシーンが減り、「うまい」と感じさせるシーンが増えたことは間違いなく、ものまね特番から笑いという観点でのエンタメ度が下がった感がある。その点、『細かすぎて』のものまねは笑わせることがベースとなっている上に、“落とし穴”というオチがあるため、笑いの手数が圧倒的に多い。テレビ番組全体を見渡しても、コンプライアンス遵守や表現の自主規制などから笑いを誘うシーンが減り、パターン化しがちなだけに貴重な特番にも見える。

さらに、今回の番組内でも何度かふれていたが、「知らないから、本物を見たくなる」という“後追い”の楽しみも『細かすぎて』の強みだろう。新たなテレビ番組の楽しみ方を提示したという点で画期的であり、動画やVODなどで元ネタを確認できる現在の時代に合っている。
○特番化以降くすぶる3つの不安

しかし、「『細かすぎて』の現状が盤石か」と言えば、あやうさを感じられるところも少なくない。以下、特番が放送するたびに指摘される3つの不安要素を挙げていこう。

最も不安を感じさせられるのが、「以前ほど笑えなくなった」という声の多さ。なかでもオーディションのスケールを広げたあたりから、「『マニアックで分からないのに笑える』という持ち味が以前よりも薄れた」という指摘が散見される。

つまり、今回のような視聴者数の多い『土曜プレミアム』枠における2時間10分特番になったことで、「分かりやすいネタが増えた」と感じた人が多いのではないか。もしそうなら、番組のファンほど「もっともっと“細かすぎて伝わらないネタ”でいい」ということなのかもしれない。もし制作サイドがコア層の個人視聴率獲得にウェートを置きすぎているとしたら、熱心なファン層を失うリスクがありそうだ。

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