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カレー沢薫の時流漂流 第305回 ステマお願いしゃっす! ※この記事は原稿料を貰って書いています。

マイナビニュース / 2024年6月25日 15時30分

画像提供:マイナビニュース

「買って燃やしてまた買え」

自著が出るたびに私が読者に対し言っている言葉だ。

電子書籍が台頭してきてからは「買って端末を叩き割ってまた買え」「買ってアカウント消してまた買え」などバリエーションが増えたが、「買って燃やしてまた買え」の語呂の美しさに比べたらあまりにも冗長である。

利便性の問題ではなく、紙は日本人にとって文化なのだ。

このハラスメント全盛時代に下ネタ誤認すら恐れず弁当を「チンして」と若人にさしだす文化人がいるように、私も紙の本が絶滅しても概念として「買って燃やしてまた買え」と言い続けていきたい。

それと同様に「私の本をステマしてください」と言っていた時期もあったが、こちらは早々に言うのをやめた。

そもそも「ステマしてください」の時点で「明日の会議はギンギラギンにさりげなくして来い」と言っているようなものであり、現代では新人にこういう指示が一つ飛ぶたびに退職代行の電話が一本鳴るシステムになっている。

だが逆に「ステマしてください」と公に言わずに宣伝させていたら、普通にステマをさせたとして燃えていたかもしれないので、言動が無能で命拾いしたとも言える。

ただ、そうだったとしても私は宣伝に対する「対価」を提示したわけではなく、お前らには何の得もないが俺の本を宣伝しろと言い続けただけなので、ステマとは認定されなかったと思う。

つまり無能な上に、飲み会になると周囲を女性社員で固めて無料キャバクラを開店させようとする上司ムーブで本当に助かったということだ。
○ステマ規制後、初の行政処分が下される

そもそも「ステマ」とは何かというと「ステルスマーケティング」の略である。

事業主によるCMやPR広告の場合「これは販売元が制作し、タレントなどに報酬を支払って演じてもらっているCMであり、菊池風馬さんが個人的にボーノレドの洗い上がりに感動し、大名のコスプレをしてまでそれを伝えようとしているわけではありません」と消費者にわかるようにしなければならない。

だが事業主側がそれを隠し、「偶然見つけたこのプラグ全ての全身の穴に完全フィットして感動!」など、あたかも「口コミ」であるかのように宣伝させる手法が「ステマ」である。

なぜステマがダメかというと、売り主のCMやPRであれば商品が絶賛されているのは当たり前であり、本当に良い商品かはわからない。

よって消費者はレビューや口コミなど、実際使った人の忖度のない意見を参考にしようとするのだ。

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