どこでもサイエンス 第287回 2024年の宇宙、どうでしょう? (7-12月の星空編)
マイナビニュース / 2024年6月26日 7時3分
全国の公開天文台のリストは、日本公開天文台協会のものがよいですな。また、天文雑誌や科学雑誌、天文関係の企業アストロアーツ社のWebページ「パオナビ」には、アマチュア天文家などによる独自の観察会の情報も掲載されています。あ、あと意外に町内会の掲示板とかにのっていたりもしますよ。
○金星と月が低空にならぶ
金星のみごろはもう少しあとですが、9月5日、夕方の低空で細い月と並び立つ様子が見られます。
星空情報11・12月
みたび、この時期の夜の様子の星図です。
はい、夏の大三角、西の地平線にまだふんばっておりますね。
○12月8日夕方6時30分ごろ「土星食」
8月にはスピカ食がありました。そしてこちらも一等星ですが、格上というかなんというか、土星の食が見られます。
土星は望遠鏡で見ると、広がって見えますので、スピカのようにいきなり消えたりはせず、じわじわと消えていくのがおもしろいです。
そして、リングとセットだと、やっぱり望遠鏡で見たくなりますな。まあ、このクラスですと公開天文台などがネット中継をしますので、それをスマホでチェックしながら、リアルな方もあわせて見るってのがよいかなと思います。
○12月14日 ふたご座流星群
夏のペルセウス座流星群とならんで、流れ星がよく見えるのですが、今年は明るい満月が空にあり、これを避けながらの観察となります。手でおおっちゃうのが簡単なのですが、しんどくなるので、電柱とかの影に月をおきながらの観察ですかねえ。
○木星が見えてきた!
夜半の空に、ひときわ明るい木星がよく見えています。
木星といえば、周囲をまわる衛星です。1610年にガリレオが発見したことから「ガリレオ衛星」といわれますが、400年前の初期型の手作り望遠鏡で見えたのですから、ちょっとした望遠鏡で十分観察できます。オモチャのような望遠鏡でもいけることがあるので、ぜひ押し入れから引っ張り出してみてください。
なお、望遠鏡はたいていネジがゆるんだりしているので、そのあたりはキチンとしめつけて、がたつかないようにするのがポイントでございますよ。
○オリオン座と冬の大三角
夜半には、都会でもわかりやすいオリオン座が見えてまいります。このあとの1~3月くらいはオリオン座と冬の大三角が主役をはります。天文ファンはオリオン座が夕方に見えるようになると「冬だなあ」と感じるものでございます。
○金星がみごたえあり
秋でも話題にした金星ですが、夕方の空にかなり見やすくなっています。
11月5日と12月5日には月とならび、なかなかかっこいい感じになります。
ということで、後半戦も楽しんでまいりましょう。
東明六郎 しののめろくろう 科学系キュレーター。 あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。 この著者の記事一覧はこちら
(東明六郎)
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