1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

関大などが共同開発した超小型人工衛星「DENDEN-01」が完成 - 今秋打ち上げへ

マイナビニュース / 2024年6月26日 11時37分

なお、DENDEN-01の外装には、キューブサットに最適化された宇宙用IMM3MJ太陽電池ガラスアレイシート(シャープエネルギーソリューション製)を設置。JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」と同型の太陽電池セルが使用されている。加えて衛星上面には、リコーが開発したペロブスカイト太陽電池モジュールをベースとして、宇宙の極限環境でも動作するよう新規に開発されたペロブスカイト太陽電池モジュールが搭載され、その軌道上動作試験は関大・リコー・JAXAの共同研究として実施されるという。

また通信についても、2派の冗長システムを構築し、状況に応じて安定した通信の実現を目指すとのこと。安定した電力供給を背景として、1Uサイズのキューブサットでは比較的難易度の高いS帯通信を試みるとする。その通信相手となる地上局としては、アークエッジ・スペースの所有する静岡県牧之原の3.9mパラボラアンテナ、および埼玉県鳩山町(東京電機大学)の3mアンテナを用いた運用を行うとしている。

さらに920MHz帯小型省無線通信によるバックアップ通信の機能検証や、地上に設置した省電力無線通信機を用いたセンサデータの衛星経由による取得実験(S&F通信技術)の検証を、アークエッジ・スペースや関西大学、名城大学、福井大学により実施。さらに高負荷ミッションとして、福井大が開発した超小型ハイパースぺクトルカメラを搭載し、撮影およびオンボードでのデータ解析処理に挑戦するとした。
○学習用超小型衛星「EDIT」を活用した衛星が実際に宇宙へ

共同研究グループによると、DENDEN-01は、福井大 産学官連携本部の青柳賢英 特命准教授とセーレンが共同開発した学習用超小型衛星「EDIT(Educational satellite for Idea and Technology)」をベースに開発されたとのこと。EDITは、新たに人工衛星開発・事業に参入する大学や企業に対し、より実践的な開発技術を習得させるために開発された“宇宙で動作する人工衛星教材”で、これに先述したさまざまな機能追加を行うことで、フライトモデル(FM)へとアップデートしたという。

またDENDEN-01の組み立てや試験は、福井大・福井県・ふくい宇宙産業創出研究会などが推進するEDITを活用した宇宙教育プログラム「人工衛星設計基礎論 2022」にて実施されたといい、関大や福井県内の企業らが参加して人工衛星の基礎や試験について学ぶとともに、実機を活用した数々の試験などの教育プログラムを通じ、人工衛星プロジェクトを進めるための知識や技術、経験を身に着けたとしている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください