「空間エンターテインメントを変える」 アプリ開発者がApple Vision Proに寄せる期待
マイナビニュース / 2024年6月28日 16時45分
筆者も、Graffityが開催した新作ゲームの記者発表会で「Shuriken Survivor」を遊んでみました。ひたすら手裏剣を投げて敵を倒すだけなので、ARゲームを初めて遊ぶ方もシンプルに楽しめると思います。次々と迫り来る敵の忍者を倒しまくるうちにストレスも解消され、極上の爽快感が味わえました。一定時間にわたって城を守りながら敵を倒し続けると「ボス戦」も控えているそうです。残念ながら、筆者はそこまで到達できなかったので、アプリの発売日以降にリターンマッチを挑みたいと思います。
Unityを活用しながら独自の体験をつくり上げた
記者説明会では、GraffityのシニアUnityエンジニア、小林慶祐氏が「Shuriken Survivor」の開発秘話を語りました。
空間ゲームならではのワクワク感と心地よい体験を実現するために、Graffityの開発チームはゲーム環境の中にいくつも独自の最適化を図っています。
例えば、ゲームのプレイ時間。Apple Vision Proは質量が600gを超えるデバイスなので、長時間装着していると疲れる場合があります。ひとりのユーザーが1日の中で平均1~2時間に渡ってApple Vision Proを装着すると想定した場合、小林氏は「ゲームは1回あたり5~10分程度、短時間で楽しく遊べるものがベスト。短時間で何度もプレイしたくなるような体験を目指した」と振り返ります。そのために注力したことは、敵やアイテムの出現パターンがランダムに変わる「ローグライク」なシステムを導入することでした。
空間の中に大量の敵を同時に、かつスムーズに表示できる限界もありました。そこで、敵の忍者を大きめに描き、上下左右さまざまな方向から集まってくるような演出により「密度感」を高めています。Apple Vision Proの立体空間の中に表示するユーザーインターフェースは極力2D表示を避けて、プレーヤーが触れて操作できる3D表示のボタン等に統一しています。「立体オブジェクトを目で見ながら、ユーザーが直感的に動かす方法が分かるインターフェースにすること」にも注力したと小林氏が語っています。一例を挙げるならば、ゲームのBGMや効果音を調整できるオーディオミキシング・コンソールのフェーダーがこれにあたります。
ゲームの開発環境はアップルが提供するSwiftではなく、Unity(ユニティ)を選択しました。その理由について小林氏は「Unityの方が3D開発に必要な機能が充実している」ことを挙げています。
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