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H3ロケット3号機現地取材 第1回 もはや「試験機」ではない3号機、打ち上げは天候不良で1日延期へ

マイナビニュース / 2024年6月29日 8時0分

画像提供:マイナビニュース

既報のように、H3ロケット3号機の打ち上げは1日延期され、新たな実施予定日は7月1日となった。いつもならば、筆者の現地レポートの1本目は種子島からお届けするところなのだが、じつは種子島への飛行機が天候不良で欠航になってしまい、まだ辿り着けていない。今回もドタバタしそうな雰囲気であるが、順次記事をアップしていきたい。

主衛星を搭載しての初成功なるか

H3ロケットは、まだ記憶に新しいだろうが、2023年3月7日、初号機の打ち上げが失敗。原因の調査は難航したものの、対策を反映させた2号機が2024年2月17日に打ち上げられ、ミッションを完璧に達成、待望の初成功に、関係者は歓喜に沸いた。3号機はそれ以来、約4カ月ぶりの打ち上げとなる。

思わぬ難産となったH3ロケットであるが、本当のスタートは今回の3号機から、と言える。初号機には先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載したものの、打ち上げ失敗により喪失。2号機には当初、先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)を搭載する予定だったが、この失敗を受け、計画を変更。ダミーペイロードを搭載することになった。

3号機には、本来2号機で打ち上げる予定だった、このだいち4号を搭載する。主衛星を搭載しての初成功がかかっており、この成否が、今後の商業打ち上げの受注に大きく影響してくるのは間違いない。H3ロケットは、失敗という最悪の出だしとなってしまったが、一度失われた信頼は、成功を続けて挽回していくしかない。

なお、前号機までは「試験機1号機」「試験機2号機」のような正式名称になっていたが、今回からは「試験機」の名称が外れ、単に「3号機」となった(英語の略称は、TF1/TF2→F3となる)。この名前からは、前回までが「開発」で、今回からが「運用」であることが分かる。運用機としての幸先の良いスタートが切れることを期待したい。
今回は初のスロットリングを実施

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は6月28日、プレス向けのブリーフィングを開催。打ち上げの準備状況などについて説明した。ロケット側から登壇したのは、JAXA宇宙輸送技術部門の有田誠氏と、MHI防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部の志村康治氏。両者とも、この4月にH3プロジェクトマネージャ職を前任者より引き継いだばかり。

プロマネとなって初の打ち上げということで、両者ともやや緊張した面持ち。有田氏は、「H3は最終的なゴールまで、まだやるべきことがたくさんあり、これから磨きをかけていきたい」と気を引き締めつつ、「子供の頃から大好きだったロケットに関わる仕事。これを楽しみながら、みなさんに使ってもらえるロケットに育てたい」と笑顔を見せた。

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