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カレー沢薫の時流漂流 第306回 Xの「いいね」廃止が改悪か改善か本当にわからない相互理解の難しさ

マイナビニュース / 2024年7月1日 18時50分

また、いいね欄は宝の採掘に使えた、という意見もある。

自分の推しカプイラストの投稿にいいねをした人は高確率で別の人間の推しカプイラストにもいいねをしているため、いいね欄が宝の山になっている場合があるそうだ。

確かに私も「個人HP」という古代遺跡巡りを趣味にしていた時、良い遺跡を見つけた時は必ず「リンク」と呼ばれる部屋を見に行っていた、良い遺跡のリンクは良い遺跡に繋がっていることが多いのだ。

実際は義理によるリンクが大半で、素材やMIDIという謎の音を作っているサイトとしか繋がっていないこともあったが、マイナージャンルの宝探しは今も昔もインディージョーンズであり、誰もがpixivに作品を投稿しているわけではない。いいね欄が貴重な金脈だった人間にとって廃止は痛恨と言えよう。

また、自分のいいねセンスに自信がある者は、いいね欄をコレクションルームと捉えており、それを他人に披露できなくなったのは遺憾である、という意見もあった。

逆に私は、過剰にDS(ドスケベ)なイラストなど、センシティブなものでなくても自分の嗜好を他人に気取られるのは恥ずかしいという、いいね欄を見せたい人間よりもよほど自意識過剰なため、どちらかというといいね欄は第三者から見えない方が良い派であった。

興味が自己に向きすぎて、いいね欄で相手を理解しようとするほど他人に興味を持つ能力がなかった、というのが私がいいね欄を気にしていなかった一番の理由な気がして辛くなってきたが、好意とは逆の意味で相手を知るためにいいね欄は確かに有用だったと思う。
○他所様のエコーチェンバーとかに落ちても碌な事ないしね

Xには様々な人間が生息し、当然主義主張が違う者もいる、そういう者同士は、タタラ場と森の二手に分かれて最初から交わらないのが一番平和である。

いいね欄を見ることにより、「天動説ガチ勢」など自分とは相容れぬ主張のポストにばかりにいいねをしていることが判明し、交わる前に先行ブロックをしかけるなど、未来の事故を未然に防ぐのにも使える。

どちらにしても、いいね欄から人となりが見えることは確かなので、人となりを知られたら困る私としては非表示になって良かったと言える。

それに「誤いいね」というのもある。

いいねするつもりはなかったのに誤タップでいいねをつけている時があり、特におすすめ欄が実装されたことにより、たまたま現れた全く繋がりのない人の脈絡のないポストにいいねをしてしまう事故も発生しやすくなった。

この誤いいねを他人に見られ「この人はこういう考えの人なのか」と誤解を与えることもある。

私はそもそも「いいね」をすることが少ないので、自分のいいね欄に対しても無頓着だったのだが、今自分のいいね欄を確認したら「某皇室の方に対する揶揄」的なポストに誤いいねしていることが判明した。

もしかしたら、このいいね欄を見て「メチャクチャ思想が強い」と判断して私をブロックした人もいるかもしれない。

こういう事故で人が離れていくこともあるので、やはりいいね欄は非表示がデフォルトの方が安全と言えるかもしれない。
(カレー沢薫)



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