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東大が熊本県美里町で新鉱物「不知火鉱」を発見 - 同地で3つ目の新鉱物発見

マイナビニュース / 2024年7月2日 12時26分

画像提供:マイナビニュース

東京大学(東大) 物性研究所は7月1日、熊本県美里町の山中の砂白金から新種の鉱物「不知火鉱(しらぬいこう、学名:Shiranuiite)」を発見したことを発表した。

同成果は、東大 物性研究所の浜根大輔技術専門職員、アマチュア鉱物研究家の田中崇裕氏、同じくアマチュア鉱物研究家の新町正氏らの共同研究チームによるもの。詳細は、日本鉱物科学会が刊行する欧文学術誌「Journal of Mineralogical and Petrological Science」に掲載された。

Pt系白金族元素は、触媒など利用用途が多いことから資源として渇望されている。第2次世界大戦時には需要が急拡大したといい、当時国内唯一の砂白金産地とされた北海道では、数十万人が動員されて鉱床探査や採掘がおこなわれたとのこと。しかし結局プラチナ(Pt)系砂白金鉱床が見つかることはなかった。

砂白金鉱床は北海道に多く分布することが知られているが、北海道の砂白金はイリジウム(Ir)‐オスミウム(Os)‐ルテニウム(Ru)成分が主なイリジウム系白金鉱床であり、日本においてPt‐ロジウム(Rh)‐パラジウム(Pd)成分が主なPt系砂白金鉱床は、これまで見つかっていなかった。

そうした中で浜根氏らの研究チームは2019年、熊本県美里町山中の河川から砂白金を発見した。その後それらを電子顕微鏡で詳細に調べたところ、ほとんどの粒子がPtを主成分とする「イソフェロプラチナ鉱(Pt3Fe)であることがわかったとのこと。採集された砂白金のほとんどがPtを主成分とすることは、その地がPt系砂白金の鉱床であることを意味するといい、この美里町の鉱床は、日本初かつ唯一のPt系砂白金鉱床として認識されているとする。

なお、研究チームが発見した鉱床が位置する美里町の山中には、マントルのマグマ溜まりで生成される輝石岩体が広がっている。Pt系白金族元素はマグマに凝集しやすいという特性があり、世界的にもPt系砂白金の産地には輝石岩体が見られる。そして美里町ほどに輝石岩体が分布する地は国内にはなく、北海道ではなく熊本県でPt系砂白金鉱床の発見に至ったのは、地質的な裏付けがあったとしている。

またこれまで研究チームは同鉱床から「皆川鉱(みなかわこう、学名:Minakawaite)」と「三千年鉱(みちとしこう、学名:Michitoshiite-(Cu))」という2つの新鉱物を発見。以降もさらなる新鉱物の発見が期待されていた。

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