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東北大、戦災消失した旧国宝・仙台城大手門の金具の実物を約80年ぶりに確認

マイナビニュース / 2024年7月3日 18時19分

画像提供:マイナビニュース

東北大学は7月2日、2023年度の全学教育講義「学問論演習」(2023年10月~2024年1月)において歴史資料レスキューの実習を行い、収集家・郷土史家であった故・梅津幸次郎氏(1903~77)のコレクションに関する調査を実施。2023年11月6日、約20点の金具類や瓦を確認し、その中には「昭和20年7月10日に戦災焼失した仙台城大手門の金具である」旨が記された箱に収められた金具類や、焼損・変形した物品が含まれていたと発表した。

同成果は、東北大 災害科学国際研究所の佐藤大介准教授らの研究チームによるもの。

佐藤准教授らは、故・梅津幸次郎氏のコレクションに関する調査から、上述したように金具類や、焼損・変形した物品を確認し、現所蔵者の協力を得て、物品の採寸など、さらなる調査を進めることにしたという。

また仙台市は現在、「史跡仙台城跡整備基本計画」(2021年策定)に基づき、将来の仙台城大手門復元に向けた調査を実施中だ。大手門関連文献として、明治中期の旧陸軍による修理記録、ならびに、昭和初年の仙台高等工業専門学校(東北大学の前身の1つ)の調査記録を把握していたという(いずれも個人所有)。

そして2024年5月30日、佐藤准教授らと仙台市教育委員会文化財課が共同で調査を実施し、金具類の現物と、仙台市が把握していた文献に含まれている旧仙台城大手門の金具類の模写の照合が行われた。その結果、今回確認された金具類は、仙台城大手門に使われていた実物だったと結論付けられたという。

また同日、実習に参加していた学生により、梅津氏コレクションからさらに菊の紋の拓本およびその説明書きからなる史料が発見された。拓本は木製と見られる大きな菊の紋のもので、その説明は大正元(1912)年11月に書かれたとみられ、「明治20年代末に大手門の解体が検討された際、当時の第二師団長の働きかけで解体は回避され、さらに門に新たに菊と桐の紋を付すことになった」や、「新たに大手門に取り付けた菊の紋は、かつて仙台城本丸の建物に飾られ、今は青葉神社に保管されている紋を模して作成した」旨が記されていたとする。

戦前に撮影された画像から、仙台城大手門には桐や菊の紋が付されていたことを確認することができる。今回発見された新史料により、少なくともその一部は、江戸時代初期の創建時ではなく、明治時代に取り付けられたものである可能性が高まったとした。

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