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東北大、戦災消失した旧国宝・仙台城大手門の金具の実物を約80年ぶりに確認

マイナビニュース / 2024年7月3日 18時19分

なお本件の意義は、主に(1)仙台城大手門復元や仙台城研究の進展に貢献、(2)「地域に開かれた大学」としての活動の有用性、(3)各地の歴史再生の手がかりとなる「梅津幸次郎コレクション」の3点だという。

(1)は、今回発見された金具類や新史料により、大手門各部の金具の形状・大きさなどをより正確に把握することが可能になったことが大きい。金具が取り付けられていた柱の寸法や、江戸時代当時の仙台城大手門外観の正確な復元に資する有力な史料となるとする。併せて、金具そのものの材質調査や、関連記録との照合により、大手門創建当時の冶金技術、建設に際しての材料の調達など、仙台城に関する新たな歴史を知る手がかりともなるとした。

(2)は、東北大 災害科学国際研究所は、東日本大震災をはじめとする災害で被災した史料の保全活動を、NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの市民ボランティアの協力を得て実施してきたという。昭和28(1953)年の報告書に、梅津氏コレクションは推定約2万点との記録があったが、その後、コレクションの所在は長らく不明となっていたとする。しかし、上述の市民ボランティアの1名が梅津氏の遺族と知人関係にあり、佐藤准教授に梅津氏収集品に関して相談し、収集品が東北大の実習・調査の対象となったことが、今回の発見につながったとした。結果として、貴重な梅津氏コレクションが約70年ぶりに再発見され、仙台城大手門復元の手がかりを得ることとなったとした。「地域に開かれた大学」である東北大の、市民と協働で実施する授業や歴史資料保全活動が、歴史の解明に有用であることが改めて示されたとした。

(3)については、梅津氏のコレクションには、戦災で焼失したかつての仙台城下町に関する史料、さらには東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸沿岸部の記録も含まれる。多くの史料を失った地域における歴史の空白を埋めるものとして期待されるとしている。

佐藤准教授らは今後、梅津氏コレクションのデジタル記録化・共有を目指していく予定だという。今後、コレクションが、各地の歴史を復元・再生する重要な手がかりとなることが期待されるとした。さらに、その過程を「文化財の活用」として位置づけ、市民参加型で実施することで、歴史資料の保全を契機とするまちづくりの実践も目指していくとしている。
(波留久泉)



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