京大など、半導体テラヘルツ発振器からの波形計測と制御を実現
マイナビニュース / 2024年7月4日 17時37分
光技術を用いたテラヘルツ波の超高速計測技術はすでに確立済みであるが、半導体テラヘルツ発振器に適用することに関しては、これまで不可能とされてきた。その主だった理由は、半導体テラヘルツ発振器の周波数揺らぎにある。そこで今回の研究では、「注入同期現象」を利用することで共鳴トンネルダイオードの発振周波数を固定して揺らぎを減らすことで、放射されるテラヘルツ波の振動電場波形を計測することに成功したという。
なお注入同期現象とは、発振器が外部からの注入信号を受けると、元々の発振周波数ではなく、その注入信号と振動のタイミングである位相がそろい、同じ周波数で発振を起こす現象のことだ。また共鳴トンネルダイオードとは、異なる半導体材料からなるヘテロ接合により形成された2つの極薄のエネルギー障壁層と、その間の量子井戸層から構成される高速動作可能な電子デバイスのことである。
そしてその結果、放射されるテラヘルツ波は注入同期に用いた信号とは逆の位相で振動していることが判明。また、この振る舞いはメトロノームのような力学系の同期現象から生物の概日リズムまで、幅広い同期現象を普遍的に記述する非線形振動子の同期理論で説明できることも突き止められた。さらに、このことを利用し、注入同期に用いる信号の位相を操作することで、半導体テラヘルツ発振器から放射されるテラヘルツ波の位相を制御できることが示されたとした。
今後、位相情報を利用した超高速・大容量無線通信やスマートセンシング技術の実現につながることが期待されるとしている」。
(波留久泉)
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