1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

吉川明日論の半導体放談 第307回 米中関係で注目されるHygonのx86プロセッサー

マイナビニュース / 2024年7月5日 13時35分

画像提供:マイナビニュース

PC/サーバー市場では相変わらず大きな変化が起こっている。

PCではエッジデバイスとしてのPCのAI化が今後のトレンドだし、サーバー側では生成AIのワークロードを担うGPUノードの急増が起こっている。こういった先端分野でのトレンドは市場全体を大きく変えてゆく要因となるが、この40年近くPC/サーバー市場を支えたのはやはりx86ベースのマイクロプロセッサーである。

x86命令セット・アーキテクチャーの歴史はIntelの8086プロセッサーの登場で始まったが、Intelを取り巻く多くの半導体ブランドが熾烈な技術競争を繰り広げて、急激な発展と淘汰が起こった結果、現在はIntelとAMDの寡占状態となっている。

しかし、近年、技術覇権競争が激化する米中関係の中で、この2社に続く第3のx86プロセッサーブランドが注目されている。中国に本社を置くHygon Information Technology(以下、Hygon)がそれである。
熾烈な競争の末にIntelとAMDの寡占状態となったx86プロセッサー市場

x86命令セットを実装したCPUとWindowsを中心としたソフトウェアの組み合わせは、PC/サーバーという巨大市場を創り出した。長年の熾烈な技術競争の結果、CPU市場はIntelとAMDの寡占状態となったが、これに至るまでには多くのブランドが参入し、敗れ去っていった。

ごく最近まで「Intelとその他の互換CPU」という呼ばれ方をしていたが、IntelのCPUとのハードウェア互換を目指した挑戦者が何社も現れてx86互換CPUが百花繚乱のごとく市場を奪い合った1990年の中ごろの時期が最も華やかな時代だった。

AMDを筆頭にCyrix、IDT、NexGen(後にAMDが買収)、NEC Vシリーズ、VIA Technologies(Centaur Technology)、RISEなどがIntel互換市場に参入したが、現在ではAMDとVIAを除いてすべて消え去ってしまった(VIAもIPを提供する程度となっているが…)。その一番の理由はIntelがx86命令セットを知的財産権として防衛しようと、果敢な訴訟を仕掛けた事があげられる。AMDには私が憶えているだけでも大小10以上の訴訟が仕掛けられたが、AMDはこのすべてを退け最終的にはIntelとのクロスライセンス契約を結び、法廷抗争から解き放たれた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください