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佐野正弘のケータイ業界情報局 第130回 価格高騰でミドル~ミドルハイクラスに活路を求めるスマホメーカーを待つ“茨の道”

マイナビニュース / 2024年7月8日 11時30分

arrows We2 Plusの価格はまだ明らかにされていませんが、motorola edge 40 neoの価格は54,800円、motorola edge 50 proの価格は79,800円とされていますし、それ以外のミドル~ミドルハイクラス新機種の価格もおおむね5万~10万円台といったところのようです。とても安いわけではありませんが、ハイエンドモデルと比べれば現実的に購入可能な価格であることは確かでしょう。

ただ、これだけ製品が多いと競争が激しくなるのも確かですし、何よりこの価格帯には一層強力なライバルの新製品が控えていることを忘れてはいけません。それは、グーグルが2024年5月8日に発表した「Pixel 8a」です。

Pixel 8aは、同社のスマートフォン「Pixel」シリーズの中では低価格モデルに位置しますが、チップセットは上位モデルの「Pixel 8」などと同じ「Tensor G3」を搭載、グーグルのAI技術を活用した豊富な機能を使うことができます。それでいて価格は72,600円と、ミドル~ミドルハイクラスに相応しいものとなっています。

ただ、Pixel 8aも円安の影響を大きく受けており、2023年発売の前機種「Pixel 7a」と比べるとおよそ1万円価格が上がってしまっています。それゆえ、以前と比べれば価格競争力は落ちているのですが、それでも競合他社の脅威となる理由は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社が取り扱いを表明しており、これら3社の販売支援が受けられることにあります。

日本において、携帯3社のスマートフォンの販売数は非常に多く、3社向けの販路開拓がメーカーにとって非常に重要になっているのですが、一方で3社もここ最近はスマートフォンの販売数が減少していることから、調達を減らす傾向にあります。実際、Pixel 8a以外のミドルクラス新製品で3社すべてが取り扱うのは、現在のところXperia 10 VIくらい。それだけに、携帯3社すべてがPixel 8aを扱うことの脅威は、競合にとって決して小さなものではないのです。

そうしたことから、ミドル~ミドルハイクラスに活路を見いだしたメーカー各社の販売も、決して安泰とはいえないのが正直なところ。円安と政府の値引き規制が続く以上、スマートフォンメーカーにとって日本市場が“茨の道”であることは変わらず、生き残りのための更なる戦略が各社には問われます。

佐野正弘 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。 この著者の記事一覧はこちら
(佐野正弘)



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