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カレー沢薫の時流漂流 第307回 ところでフロッピーはデジタル規格だと思うが日本の「アナログ狩り」の話

マイナビニュース / 2024年7月8日 13時15分

事務のツールとして、デジタルの方がアナログより優れているのは確かだが、だからと言ってアナログが根絶しなければいけない悪や敵というわけではないのではないか。むしろ何らかトラブルでデジタルが使えなくなった時、後ろから出てくるバトルシップの退役軍人のジジイ達のような、困った時の味方であるかもしれない。

アナログが「全廃」されたオフィスは、懐中電灯やガスコンロなどを一切用意していないオール電化住宅と同じであり、イレギュラーが起こった時に手も足もでなくなる可能性がある。
○アクシズを落として無理やり地球人を進化させるような手法なのかも

キャッシュレス化が進んだことにより、最近はスマホのみで財布を持ち歩かないことがスマートとされているようだが、それでスマホトラブルが起こり、帰宅不能となり、交番で金を借りるのはかなりスマートではない。

それより、おもむろに靴を脱ぎ、底から出て来た4つ折り千円札にキッスして颯爽帰宅する人間の方がクールである。

つまり、最新機器を使いこなしながら、いざというためのリスク対策もできているのが真のスマートである。

オフィスも、アナログ全廃ではなく、デジタルを主としつつ、有事の際のためにアナログも残しておくのが理想なのではないか、という意見も多い。

だが、そういうぬるい方針だと、永遠にFAXを主にし続け全くデジタル化が進まないため、全廃など過激なことを言わざるを得なくなった、という可能性もある。

アナログは悪ではないが、無駄にアナログにこだわり近代化を阻むのは悪である。つまり、悪いのはいつも人間だ。

そもそも私は「アナログ規制」自体今まで知らなかったため、詳しく知るため「デジタル庁」のHPを見にいってみたのだが、そのページ自体、私が四半世紀前にフロントページエキスプレスで建立した個人HPを彷彿とさせる、懐かしい作りになっている。レトロブームとかなんとか、きっとこういうのが最近の流行りのデザインなのだろう。

その個人HPを永遠にスクロールしていくと、「アナログ規制見直しの取組」という項目を発見した。

これは、アナログを規制していくのではなく、逆にアナログを規制することを見直す段階に来ているということなのだろうか。

さらに序文には「アナログ規制の一掃に向けた取り組みを進めている」と書かれている。すでにデジタル庁内では、逆にアナログを規制しようとする連中を巨大アダプターで撲殺する下剋上が起こりHPも占拠されている可能性がある。太郎が危ない。

そう思ったが、私が根本的に勘違いしており「アナログ規制」はアナログ機器を規制することではなく、「印鑑なし無効」のような、アナログ手法を前提としたルールのことを指し、それの一掃を目指しているということだ。

やはりデジタル庁も、アナログ機器が悪いと思っているわけではなく、それを使った謎ルール、そして謎ルールを死守しようとする人間を一掃したいのである。

だが人間を掃討は難しいので、アナログ機器という武器の方を奪い、死守派勢力を戦えなくするしかない。

今日本では刀狩りが起こっているということだ。
(カレー沢薫)



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