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モノのデザイン 第188回 シャープが満を持して参入のサーキュレーター、フクロウの翼もヒントに機能美を追求(後編)

マイナビニュース / 2024年7月23日 15時44分

画像提供:マイナビニュース

(前編から続く)

シャープが今春初めて市場参入したサーキュレーターの新製品「プラズマクラスターサーキュレーター PK-18S01」。性能だけでなく、インテリアと調和する洗練されたデザイン性の高さからも人気を集める製品だ。前回に続き、本製品へのデザインへのこだわりを中心に、開発秘話を担当者に伺った。

本製品のサーキュレーターの意匠として特徴的なのが、送風部が台座から宙に浮いたように見えるデザインが挙げられる。同社デザインスタジオ デザイナーの岡勇樹氏によると、特に工夫したのは"アーム"だという。

「下吹きも出来る自在な首振り性をユーザーに感じて貰えるように送風部が浮いたように見せるデザインを心掛けました。送風部の浮遊感の表現にあたり、送風部と台座部を繋いでいるアームの構成を工夫して台座を小さく見せることに挑戦しました。市場では、アームが送風部の左右から地面に向かって真っすぐ伸びて行き、台座の側面につながる構成やアームと台座が一体化した構成をよく見受けますが、これらの構成では送風部より下の台座が大きくなるため、本体サイズをより大きく感じてしまうことで送風部の浮遊感を表現しづらいことに気が付きました。そのため、今回のサーキュレーターではアームを台座の天面に向かい馴染ませる構成にすることで、アームのスリム化と強度を両立しながら台座をコンパクトにまとめて送風部の浮遊感を表現し、首振りの自在性や置きやすさを体現するデザインへと至りました。ただ、台座をひと回り小さくしようとすると、中に収める基板にも影響するので、このバランスを見極めるのが難しかったです」

台座の部分は、当初は実は“ハ“の字のデザインだったそうだ。「設計部門から内蔵部品をおさめつつコンパクト化が難しいと言われたため、現在の逆ハの字の形状に変更しました。

しかし、その結果、アームが台座になだらかに刺さるようなデザインとなり、見た目にも強度的にも丈夫な印象になりました。アームを細く見せつつも、華奢すぎず丈夫さも見せなければならないという課題解決にもつながり、この部分も"機能美"と言える1つですね。アームの内部にはコードも通さなければならないため、厚み感を薄く見せるために、断面形状を数ミリ単位で設計部門と調整しています」

今回のアーム部でイメージされたのは"鉄器"だという。「製品全体のやわらかな造形に合う、丸みを帯びつつも堅牢な鉄器のようなデザインを意識しました。しっかりとした堅牢感を表現しつつ、送風部の浮遊感を阻害しないように、アームと送風部とのすき間やアームの外側と内側のパーツが合わさる部分のライン、パイプの部分の太さなども細かく調整しています」と岡氏。

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