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東大、JWSTの観測に有益な3種のダングリングOHの光吸収効率を解明

マイナビニュース / 2024年7月11日 19時9分

新規分光法は、赤外分光法と多変量解析とを組み合わせたもので、試料内の分子の面内振動(基板に平行な振動)と面外振動(基板に垂直な振動)の赤外吸収スペクトルを定量的に得ることができる。DOHの光吸収効率を調べるためには、DOHの存在量を定量する必要がある。そこで今回の研究では、COを蒸着してDOHに吸着させ、2配位と3配位のH2OのDOHのピークが消えるCO蒸着量からDOHの存在量を定量し、光吸収効率が明らかにされた。

その結果として、2配位、3配位、COが吸着、という3種類のH2OのDOHの光吸収効率は、どれも氷内部のH2O(4配位)の光吸収効率の1/10以下であり、むしろ「孤立したH2O一分子」の光吸収効率に近いことが明らかにされた。この結果は、氷表面と氷内部において水分子の性質が劇的に異なることが示されているとする。

今回の研究で氷表面のDOHの光吸収効率が解明され、DOHの存在量を赤外スペクトルから定量することが可能になった。特に、COが吸着したH2OのDOHの吸収線のピーク波数(3680~3620cm-1)は、最近のJWSTによる観測で報告されている宇宙の氷星間塵のDOHのピーク波数(3664cm-1)と一致しており、氷星間塵のDOHはCOなどの分子が吸着していることが強く示唆されるという。研究チームは今回の研究で得られた光吸収効率から、宇宙の氷星間塵のDOHの存在数を定量することで、氷星間塵表面の化学反応メカニズムや惑星系の形成について、理解が大きく進むことが期待されるとしている。
(波留久泉)



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