大産大など、シリコン太陽電池の変換効率を向上させるナノドット構造を開発
マイナビニュース / 2024年7月12日 16時29分
そして、シリコン太陽電池の融解閾値0.47J/cm2以下のレーザーフルエンスで、KrFエキシマレーザーを照射したところ、ナノドット構造は、レーザーがシリコン太陽電池のピラミッド構造表面に対し、S偏光として照射される面(S偏光面)のみに形成されることが発見された。そして形成されたナノドット構造の大きさは先端が約20nmである三角形のナノドット構造であり、この構造のサイズはレーザーの「回折限界」よりも小さいことが発見された(レーザー光を集光した場合、理想的な光学系であっても回折によりレーザー波長以下の径にはならない)。
また、ナノドット構造の密度はレーザー波長に関係しており、レーザー波長の2乗に反比例し、短波長レーザー照射が高密度化に有効であることが見出された。加えて、ピラミッド構造のS偏光面のみにナノドット構造が形成されたシリコン太陽電池の、500nmでの反射率約5%が達成されたとする。顕微ラマン分光を用いて同太陽電池の結晶性を評価したところ、ナノドット構造を形成させることによって、表面に圧縮応力が発生していることも確認された。さらにバンドギャップを評価したところ、シリコン太陽電池のバンドギャップエネルギーがより高くなることも判明。ナノドット構造は、融解閾値の半分程度の弱いレーザーフルエンスで照射しても形成されることから、高効率かつ大面積加工技術への発展が期待がされるという。
以上の成果は、レーザー誘起ナノドット構造形成によって、シリコン太陽電池の反射率低減およびより高いバンドギャップエネルギーが、同太陽電池の分光感度が短波長側にシフトすることにつながることから、同太陽電池の高効率化が期待されるとする。また、今まで融解閾値以下のレーザーフルエンスでの照射については未開拓な領域であり、この成果はナノ微細構造の形成メカニズムの解明に大きく進展させる足掛かりになるものとしている。
(波留久泉)
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