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遺体を“帰す”ことを丁寧に描き込む――『GO HOME』従来の死因究明ドラマにない新鮮さ

マイナビニュース / 2024年7月13日 7時0分

それは、スピーディに進行させることで、視聴者へストレスなく見せ切ることにつながっているのはもちろんのこと、視聴者になぜ?なに?誰?と推理させた次の瞬間、すぐに明かしてしまう展開にすることで“予想外”を演出し、それが視聴者に新しいミステリー体験をさせることにも成功している。そして、その前半部分の真相解明は、ただただ謎を提示して明かすだけではなく、様々な知見からのフォローでなるほど感を与えたり、“真実”を巧みに伏せながら進行させていく構成であるため、単純な謎解きではない奥深さもプラスされている。

○どうすれば無事に遺体を“帰す”ことができるか

何より、その真相解明のスピーディさは、決して意外性だけを狙ったものではなく、当然、このドラマの肝である、遺体を“帰す”ことに奔走する姿を描くための手段にもなっている。

第1話において、最も多く時間が割かれるのは、遺族側の心情と、亡くなった人の生前のドラマ、そして主人公たちがどうすれば無事に遺体を“帰す”ことができるかの部分だ。その描き込みが丁寧であればあるほど、このドラマはこれまでの警察モノや死因究明ドラマで見ることのできなかった新鮮さにもつながる仕組みになっている。

中でも、遺族が遺体と対峙(たいじ)したとき、自分の関係者であってほしい、あってほしくない…という、逡巡(しゅんじゅん)まで描いている点が、このドラマの良心を感じさせる。また実在の部署をモデルにしているというだけあって、「身元不明人相談室」の働きぶりを、さりげなくHOW TO的に描いている点も興味深い。謎解きに加えて、丁寧な人間ドラマ、そしてお仕事ドラマとしても興味を惹かれる、まさにありそうでなかった“警察エンタテインメント”と言っていいだろう。

●小芝風花&大島優子のバディが見せる“奥行き”

このドラマに新鮮味をさらに加えているのが、10歳差でありながら同期という女性バディものという点だろう。女性同士の年の差バディものであれば、同局の佳作『ハコヅメ ~たたかう!交番女子』(21年)と同様の構図だが、今回の桜と真を演じる小芝風花と大島優子は、10歳差とは思えないビジュアル面での違和感のなさと、先輩後輩関係ない2人のやりとりが丁々発止で楽しい。信頼し合う同僚であり、良き友でもあり、さらに深い部分でもわかり合っている…という“奥行き”も感じられ、これまでありそうでなかった絶妙な関係性を初回序盤から完成させている。

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