1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

テレビ局の現役社員が描く『報道協定』 初瀬礼氏、葛藤の中でリアリティ追求「ここまでだったら」

マイナビニュース / 2024年7月16日 12時0分

京都アニメーション放火事件では、犠牲者の実名報道に対してネット上で反発の声が多くを占め、サイバー攻撃を受けたKADOKAWAと犯人との交渉内容を報じたネット媒体をKADOKAWA側が非難すると、当初はそれに賛同する声が多く上がった。やはり、被害者保護を何よりも最優先とする考え方が強い傾向にあるようだ。

そんな現状も踏まえて、今後の報道協定の位置付けは、どうなっていくのだろうか。初瀬氏は「実際にSNSによって報道協定の存続が脅かされるという事例が起きないと、その是非についての議論はしづらい部分があると思いますが、個人的な意見としてはギリギリまで維持すると思います。なので、ネットに出ているのに、大手メディアが報じないという状況もありえるのではないでしょうか」と予測した。

○働き方や組織のしがらみ…誰もが直面する要素

誘拐事件やマスコミという、多くの人にとっては遠い話と捉えられがちな題材を扱っている今作。「人の命がかかっている場面に遭遇することは、なかなかないかもしれません」としながらも、「どこかで決断しなければならないという場面は、誰にでもあると思うんです。特に今回の主人公は、働き方や組織のしがらみなど、どの会社にいても直面する要素があるので、皆さんに共感してもらえると思います」と呼びかける。

その上で、「誘拐は卑劣な犯罪ですが、もし今の時代に起きたらどうなるのか、自分なりのシミュレーションで描いてみたので、一つのエンタテイメントとして楽しんでいただければと思います」とアピール。

特にクライマックスは、展開が加速して緊迫感が高まり、頭の中に自然とその画が浮かぶシーンに仕上がっているだけに、「もし映像化することになったらうれしいですね」と期待を膨らませた。

●初瀬礼1966年、長野県安曇野市生まれ。上智大学卒業後、フジテレビジョンに入社し、社会部記者、モスクワ特派員、報道・情報番組のディレクター・プロデューサーを歴任、現在はネットメディア関連事業を担当する。小説家として、13年にサスペンス小説『血讐』で第1回日本エンタメ小説大賞・優秀賞を受賞。同作品でデビューし、パンデミックをテーマとした『シスト』(16年、新潮社)、アフリカと東京を股にかけたサスペンス『呪術』(18年、新潮社)に続き、双葉文庫から『警察庁特命捜査官 水野乃亜』シリーズとして『ホークアイ』(19年)、『モールハンター』(21年)、『デビルズチョイス』(22年)を発表。24年6月に最新刊『報道協定』(新潮社)を刊行した。
(中島優)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください