圧倒的なライブ演出力を見せた『音楽の日』 「音楽番組のTBS」という信頼感で頭一つ抜けた存在に
マイナビニュース / 2024年7月17日 11時0分
●成功を決定付けたダンスバトル
ゴールデンタイムに入る前の夕方は、2つのスタジオを使って16組がヒット曲を歌いつなぐ「hope songライブ」だったが、これはよくあるメドレー企画。ただ裏を返せば、「『音楽の日2024』は、King & Prince、なにわ男子、Mrs. GREEN APPLE、マカロニえんぴつ、ゆずらの人気者を18時台に配置できるほどのラインナップ」ということだろう。
恒例の大合唱企画はSUPER BEAVERの「小さな革命」。番組の募集によって全国から集まった242人が練習して挑んだ大合唱も過去最高レベルの熱気。キャスティング、楽曲のメッセージ性、現場の盛り上がりと一体感など非の打ちどころがない仕上がりで、242人の達成感あふれる表情に引きつけられた。
この企画に限らず『音楽の日』はアーティストとスタッフだけではなく一般人も一緒にエンタテインメントを作り上げるようなムードがある。それは「ここだけで見られるライブ」の臨場感にスポットを当てた企画・構成・演出を徹底しているからであり、それはいまだ民放各局にとって至上命令の視聴率獲得に向けた最善策なのかもしれない。
そして最大の目玉企画は「ダンスバトル」。ゴールデンタイムの20時台に約1時間を使って放送されたことがそれを物語っている。今回のテーマは「垣根は越えた!今度はバトルだ!」。昨年事務所の垣根を越えたコラボを初めて実現し、今年はあえて正面からぶつかり合うというコンセプトだが、「公開処刑」などとスキルの差を世間にさらされるリスクもあり、まさに前代未聞のコンセプトだった。
しかし始まってみると、各グループのパフォーマンスは「叩かれるグループや個人がいるのではないか」という不安を軽々と超えてきた。他アーティストの楽曲をオリジナルの振り付けで踊る「グループ対抗ダンスバトル」も、グループのトップを集めた「1on1ダンスバトル」も、総勢125人でシンクロダンスした「大フィナーレ」も、勝敗や優劣を超越した唯一無二のコンテンツ。
その技術、熱気、プライド……「いくら払えばこのライブが見られるのか」と思わされるレベルのステージだった。「ダンスだけで土曜20時台の1時間をやり切った」という事実も含め、「日本のダンス&ボーカルグループはこれくらいの技術とダンスのスタイル、そして熱量がある」という名刺代わりの映像になるのではないか。
○若手偏重のキャスティングは当然か
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