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海の仕事を選んだ若者を手放さないために - 島根県で離職対策セミナーが開催

マイナビニュース / 2024年7月16日 11時36分

人に叱られることも苦手で「叱られ慣れていない」と大門先生。実は教員のなかにも、叱ることが苦手な人間が増えてきた、と明かすが...

「それでも弊校には、まだ雷オヤジみたいな思い切り叱ることのできる教諭も残っています。海の上は危険があるため、思い切り叱らないといけないケースもある。来週は海洋訓練があるので、1年生は思い切り叱られると思います。そこで少し叱られることに慣れてほしい」。

あとは、自己肯定感が低い傾向があるそう。「自分のやったことでも、自分で認めてあげられない、そんな子が増えたように感じています」。

良いところについては「動画になっている情報、目で見る資料の理解は早いです。普段、何の動画を見ているのか聞いたところ、エンタメもニュースも、色んなものを見ているそう。船舶関係の最新ニュースも調べていて『こんなことがあったよ』と教えてくれます。3分くらいのショート動画をどんどん見ているみたいです。だから彼らに何かを理解させたいときは、短い動画にしたら受け入れられやすいのでは、と思います。ただ、いろんな情報をそのまま鵜呑みにする傾向もある。怖いのは、口コミなども全部、鵜呑みにしてしまうことです」。

それでいて、性格は真面目な子が多い。「私も水産高校の出身ですが、自分の学生の頃と比較すると、皆んなとても真面目。失敗を恐れている側面はありますが、何でもしっかりちゃんとやろう、っていう意識を感じます」。

指導の中で気をつけていることについては「例えば1年生の水産海洋基礎という教科で、基礎実習のロープワークをするとします。クラブヒッチ、ボーラインノット、シングルシートベント、リーフノット、などひと通りの結び方を教え、生徒もしっかり結べるようになりました。でもあるとき、曖昧に『いいように結んでおいて』と指示すると、途端に固まってしまいます。正解が分からない状態で、間違ったことをして怒られたくない、だから動けなくなっちゃうんですね。そんなときは具体的に『この結び方で』と指示しないと動いてくれません」。
○■会社を辞めたい理由とは?

ある日、大門先生のクラスの卒業生から電話が入る。船の人間関係でちょっと困っていて、仕事を辞めたいんです、という相談だった。

「そこで会社に連絡しようと思った矢先、その会社からお電話をいただいたんです。先方も早期離職について普段から悩んでおられる様子でした。そこで理由を聞いたところ、彼が立ち入り禁止区域に入ったまま佇んでおり、とても危ない状態だったので船員さんが見かねて厳しく叱った、とのことでした。私から平謝りしました。叱られ慣れていないので、叱られたときに『叱られた』という現象だけが頭に残って、その理由についてまで考えられなくなるんですね。怖くなって、動き出せなくなってしまう」。

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