1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

なぜポルシェは時計を作る? 世界限定350個の新商品発表会で聞いてきた

マイナビニュース / 2024年7月16日 12時21分

ポルシェデザインの時計には、機能に基づく仕上げが随所にちりばめられていた。クルマの機能に基づくデザインが、クルマ以外にも応用できることを証明してもいる作品だ。

その後、ポルシェデザインは眼鏡やバッグをはじめ、さまざまな商品を生み出していった。そこで強調されているのは、単にエクスクルーシブな商品だというだけでなく、ポルシェファミリーの一員になれるということ。例えばクロノグラフ1は、手首に付けるスポーツカーとまでいわれていた。同時にポルシェ社は、時計を製造する唯一の自動車メーカーにもなったのである。

クルマと時計のデザインは同じ?

ちなみにブッツィーは、インタビューで次のように答えていた。「時計をデザインするのとクルマをデザインするのは同じプロセスです。まずアイディアをスケッチに起こし、それによって自分が意図したデザインを見える化する。そこから迅速に全体を立体モデルへと作り上げ、より具体的にデザインを見えるようにするのです」

また、時計のケースも多くのディテールを考慮しなければならない。曲面や直線、角のアールだけでなく、見やすさや着け心地まで気配りが必要だ。そういった際、全ては機能性を優先とし、デザインのためのデザインをすることで機能を犠牲にはしないことを重視した。それも911と同様の考え方だ。

こうして作ったクロノグラフ1についてブッツィーは、「最初からみんなが気に入るような時計をデザインするつもりなどなかったんです」と語っている。しかし、クレイ・レガッツォーニをはじめ、エマーソン・フィッティパルディ、ロニー・ピーターソン、そしてマリオ・アンドレッティといったF1ドライバーの腕には、このクロノグラフ1が巻かれていた。多くの人が見た映画『トップガン』でトム・クルーズが着用していたのも、この時計だ。

さらに、クロノグラフ1には軍用バージョンもあり、NATO、ドイツ連邦軍、イギリス海軍、アメリカ空軍などが採用していた。まさに、その機能性と耐久性が認められたことになる。

もうひとつ、これは余談だが自動車から派生したポルシェデザイン独自のプログラムがある。それはウォッチコンフィギュレーターだ。

ポルシェだけでなく、ハイブランドの自動車メーカーの多くが取り入れているコンフィギュレーター。簡単に説明するとボディカラーや内装色だけでなく、ホイールをはじめさまざまな仕様をオンライン上で画面を見ながら選択し、クルマを好みの仕様に仕上げていくシステムだ。つまりはカスタムオーダーメイド的なもので、ポルシェデザインではポルシェのカーコンフィギュレーターをもとに、世界で初めて時計メーカーとしてクロノグラフのオンラインコンフィギュレーターを作り上げた。何と150万以上もの組み合わせから好みに合わせたデザインのカスタマイズが可能となっている。
クルマでいうならバーンファインド!?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください