濡れるとやわらかくなる未来のタイヤ? ダンロップのシンクロウェザーを試す
マイナビニュース / 2024年7月22日 14時0分
結論からいうと、氷上性能はスタッドレス>シンクロウェザー>AS-1の順。雪上性能はシンクロウェザー=スタッドレス>AS-1の順だった。
さすがにスタッドレスの性能は高くて安心感があったものの、シンクロウェザーとの差はわずか。氷の上での制動距離自体はほとんど差がなくて、最後にギュッと止まる感じがスタッドレスの方がほんの少し高かった。
一方の雪道では、AS-1で走ると進路が少し乱れたり、ステアリングの手応えが抜けたりする瞬間があり、たえずグリップする感覚がステアリングを通して感じられるシンクロウェザーの進化の具合がはっきりと伝わってきた。また、スタッドレスがサイプで雪をかきながら走っている感覚なのに対して、シンクロウェザーはタイヤの表面が雪の表面に吸い付いて走っているような滑らかな感覚が伝わってきて、発揮するグリップ力の性格がそれぞれ違うことがはっきりと感じられて面白かった。
コース外の外周路をシンクロウェザーで走る時間もあった。こちらの機材はAWD(4輪駆動)のメルセデス・ベンツ「GLC」。タイヤサイズは最新のSUVモデルらしく235/60R18と太く大きなものだった。圧雪状態の路面だったので、加速や減速、コーナリングなどどんな場面でもしっかりとしたトラクションを感じつつ、全く不安なしで走り回ることができた。
ドライ&ウェット性能はいかに
では、ドライ&ウェットでの性能はいかに。こちらは2024年5月、岡山県津山市近くにある住友ゴム「岡山タイヤテストコース」で試してきた。
まずはウェット性能を確かめるため、たっぷりと水を張ったスキッドパッドに侵入してみる。シンクロウェザーと比較したのはサマータイヤの「ル・マンV +」とスタッドレスの「ウインターマックスXX02」で、使用した機材はFFのカローラツーリングだ。
結論からいうと、サマータイヤとシンクロウェザーはほぼ同じスピードで、タイヤのグリップ力を感じながらぐるぐると周回を続けることができた。びっくりしたのはスタッドレスに乗り換えた時で、同じスピードで回ろうとすると一気にグリップが抜けてアンダーが出て、ズルズルと進路が乱れてしまう。濡れた路面をスタッドレスで走るのは本当にコワイと認識を新たにすることができた。
長い直線路と緩いコーナー、それにスラロームを組み合わせたアスファルトの路面では、やはりサマータイヤの良さが際立つ。ル・マンのタイヤ内には吸音スポンジが貼ってあって、その静粛性によるところがあるのだろう。
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