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吉川明日論の半導体放談 第308回 データセンター市場で起きている劇的な半導体の主役交代

マイナビニュース / 2024年7月17日 6時45分

画像提供:マイナビニュース

ある日漫然と半導体アナリストの市場分析記事を眺めていたら、AMDとNVIDIAが躍進しているという趣旨の記事が出てきて興味を持って読んでみたら、かなり衝撃的な事実が浮かび上がってきて思わず詳細を調べてしまった。

記事の内容は、データセンター市場でのCPU/GPUの売り上げの推移に関するもので、Intel、AMD、NVIDIAの3社がデータセンター市場向けに供給するCPU/GPUの売り上げを四半期ごとに追いかけた形で構成されていた。GPUで強みを発揮するAMDとNVIDIAという構図は以前から感じていたが、各社の四半期の決算の数字をずらりと並べると、この2年間でデータセンター市場では劇的な変化が起こっていることがはっきりと見て取れた。
GPUノードの急増で激変するデータセンター市場

Intel、AMD、NVIDIAの3社はオープン市場で汎用のCPU/GPU半導体製品を供給している。

この2年くらいは3社とも決算発表にてデータセンター市場での売り上げを抽出した数字を発表しているので、各社の決算発表を期を追って調べていけば各社の比較は簡単にできる。各社ともCPU/GPUを市場投入するリーダー的企業であるが、各社の製品群の最近事情は下記のように大きく異なっている。
○Intel

従来からx86ベースのサーバー用CPUでは業界標準であり圧倒的な強さを誇ってきた。Xeonを主力ブランドとする高性能CPU製品は集積度・単価・利益率ともに半導体製品の中では最も付加価値が高い製品群であった。

IntelのサーバーCPU市場での大きな成長は、Intelの企業としての成長そのものを支えた重要製品領域であるが、この3-4年間は同市場での長年のライバルAMDの猛追を受けて、シェアを失いつつある。GPUの製品投入ではNVIDIA/AMDからかなり遅れを取っていて、データセンターでの主導権がCPUからGPUに急激に移る中で全体的にシェアを落としてきている。

○AMD

従来からCPU市場においてIntelのライバル企業として、GPU市場ではNVIDIAの競合2番手として両社に食らいついてきた長い歴史を持っている。

最近はIntelの独壇場であったサーバーCPU市場で、EPYCを代表とする高性能品を投入することで、徐々にIntelの市場シェアを奪取している。GPU市場でも長年NVIDIAとグラフィックボード市場を2分する存在であったものの、AIアプリケーションにおけるアクセラレーター市場ではNVIDIAの後塵を拝していた。今年に入って大規模なチップレット仕様のInstinct MI300シリーズでNVIDIAを追撃するが、NVIDIAの驚異的な強さに押されてまだ対抗軸としての存在感はない。

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