急成長のIFS、日本市場への投資を加速‐業界特化型ERPの「脱アドオン」実現へ
マイナビニュース / 2024年7月17日 14時51分
日本は「超成長市場」 IFSの狙いとは
なぜ、IFSは日本市場を重視しているのか。
その理由を、アジア・中東地域担当 プレジデントのヴィンセント・カルバーリョ氏はこう語った。
「日本は世界第4位の経済規模を誇り、IFSの主要産業分野である製造業がGDPの約10%を占める“モノづくりの国”だ。自動化とイノベーションへの需要と高い品質水準を持ち、協業できるエコシステムが構築しやすい。高い技術力を持つ日本は、IFSにとって次の『超成長市場』だ」(カルバーリョ氏)
またカルバーリョ氏は続けて、「一方、多くの日本企業は労働力不足という課題に直面している。日本が大きな変化を迎えていることを実感しており、これは大きなチャンスと捉えている。日本企業の生産性向上を支援することで、指数関数的な成長を目指したい」と述べた。
同社はすでに日本への投資の強化を始めており、2025年以降の成長につなげたい考えだ。日本法人IFS Japanの採用活動も強化しているといい、社員数は急増している。10月にはオフィスを東京・渋谷から大手町に移転してさらなる増員を図り、サポートやクラウド、カスタマーサクセスなどの体制整備を急ぐ。
10日に発表したWAPとの提携では、特に「2層ERP」と「コンポーザブルERP」に焦点を当て、異なる国や地域の業務ニーズに対して、標準機能でシステムを構成し、「完全標準化」と「脱アドオン」の実現を目指す。
WAPは会計などの業務領域に強く、国内の会計ルールなどへの対応に強みを持つ。日本の商慣習に合わない海外製ERPではニーズを満たしきれない顧客企業の課題解決を目的とし、両社はグローバル展開も視野に入れた2層ERPの構築を推進していく。
産業用AIのさらなる強化へ
IFSは産業用AIへの投資も加速させている。IFS Connect Japanでは、IFS Cloud上で提供する産業用AI機能「IFS.ai」の実績や効果などが紹介された。
産業用AIとは、製造業において物理的なオペレーションやシステムに関わるAIのこと。AIを活用したシステムにより、製品開発や製造、サプライチェーンや現場におけるオペレーションなど、産業の基本的なプロセスを自動化し、改善につなげる。
例えば、航空宇宙・防衛産業業界なら、コンプライアンス遵守とリスク軽減のために、不足している必須コンポーネントと期限切れのメンテナンスタスクをAIで自動的に検出してフラグを設定することができる。
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