EOS R5愛用カメラマンが触って感じた「EOS R5 Mark II」の進化点
マイナビニュース / 2024年7月18日 18時20分
ちなみに、画像処理エンジンは従来の「DIGIC X」に加え、「DIGIC Accelerator」なるものを搭載しているとのこと。それにより処理が分担でき、前者は画像の現像を担い、後者は大量の画像データの解析や高速AF処理、AE検出などを行うといいます。DIGIC XとDIGIC Acceleratorによるシステム名は「Accelerator Capture」といい、同時発表されたフラグシップモデル「EOS R1」と同じものとなります。やはり実写してみないと体感できない部分ではありますが、スゴいエンジンが載ったなぁと思うばかりです。
静物はもちろん動きものにも対応でき、価格は高価だが納得できる
もちろん、Accelerator Captureの搭載で、AFも大いに進化しています。被写体に食い付いたら離すことのないAFトラッキングや、サッカーやバスケットボール、およびバレーボール撮影時のみ有効となりますが、撮りたい被写体をカメラが認識するアクションAF、あらかじめ人物の顔をカメラに読み込ませておくと、その人物を優先して検出する登場人物優先など、新機能のオンパレード。極め付けは、ファインダーをのぞく瞳の動きでAF操作のできる視線入力機能を採用し、EOS R3よりも信頼性や精度を高めています。
EOS R5シリーズはカメラの性格上、どちらかといえば風景や商品の撮影、ポートレートなどを得意とするイメージがありますが、本モデルは動きものに対してもすごく強化されていることが分かります。ちなみに、これらAFに関する機能である「デュアルピクセルIntelligent AF」は、映像エンジンと同様にEOS R1と同じとのこと。動きものを撮る機会が多い人には便利そうです。自分的には、この複雑なAFを使いこなす自信はちょっとないかなぁと思うとともに、いくつかの機能については搭載されていること自体忘れてしまいそうな充実ぶりです。
そのほか、最大8.5段の手ブレ補正機構や、電子先幕シャッター選択時に1/320秒を実現したストロボ同調速度、シャッターボタン側に移った電源スイッチ、カメラ内で最大1億7900万画素の画像の生成が可能なカメラ内アップスケーリング機能など、思いのほか見るべきところが多く感じられます。頑張ってほしかったと思うのは、EOS R1と同じ943万ドットのEVFを採用しなかったことぐらい。価格については65万円ほどと手の出しづらいものですが、昨今の状況を考えれば致し方なく、むしろこの程度でよく抑えてくれたと思えます。数字的なスペックに関しては大きな変化は少ないものの、AFをはじめとする新しい機能満載で、これまで以上にオールラウンドに使えるモデルに仕上がったと述べてよいでしょう。
最後に個人的な話となりますが、新しいEOS R5 Mark IIは仕事の撮影でもプライベートの撮影でも出番の多かったEOS R5の後継であることを考えると、長期のローンを組んででもとりあえず1台手に入れたく思っています。しかしながら、果たして家人の同意が得られるか否かが購入の鍵になりそう。何はともあれ、本モデルの予約開始は7月24日(水)の午前10時からですので、それまでに結論を出さなきゃと思っています。
著者 : 大浦タケシ おおうらたけし 宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマンやデザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般紙、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。日本写真家協会(JPS)会員。 この著者の記事一覧はこちら
(大浦タケシ)
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