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永瀬九段の王座戦リベンジが決定!! 前期はなぜ勝てなかったのか!? あの戦いを藤井猛九段が振り返る

マイナビニュース / 2024年7月23日 11時35分

画像提供:マイナビニュース

ほかのゲームと違い、将棋は運や偶然の要素はほぼないと言われています。与えられた時間も同じ、片方の駒だけ特殊な動きをするわけでもなく、二手連続で指せることもありません。先後の有利不利の違いこそあれ、条件はほぼイーブンです。したがって結局、実力がある方が勝つとされますが、昨年の第71期王座戦で目にしたのは、実に奇異な将棋でした。

終わってみれば世紀の天才である藤井竜王・名人が八冠に輝いたタイトル戦でしたが、各局の過程においては永瀬王座が押している時間の方が長かった。しかし、それでも永瀬王座は勝てませんでした。あそこで一体何が起こっていたのでしょうか。

おりしも昨日行われた第72期王座戦挑戦者決定戦において永瀬九段が勝利し、藤井聡太王座への挑戦権を獲得。前期のリベンジ戦となる五番勝負は9月4日(水)に開幕しますが、本稿では、日本将棋連盟が刊行する8月1日発売の『令和6年版 将棋年鑑2024』の特集「藤井猛九段が語る全タイトル戦」より、藤井猛九段が前期王座戦を振り返ったインタビューを抜粋してお届けします。

(以下、抜粋)
○永瀬王座の快勝で終わるはずだったが……

―続いて第71期王座戦。藤井竜王・名人がついに八冠に輝いたシリーズなわけですが、内容はかなり競っていました。

「ええ、これはもう勢いです。そうとしか説明できません。内容的には永瀬王座がかなり優位な場面が多かったですし、そもそも藤井さんが挑戦者になる過程でも、準決勝の村田顕弘六段との将棋はほとんど負けでしたからね。羽生七冠達成のときも、奇跡的な勝利と言われるようなのも何回かありましたけど、そういうのがないとなかなか、全冠制覇というのは難しいです。それにしても、ちょっとさすがに神がかっていますね。
第1局(永瀬勝ち)は難解な将棋でした。△5一飛がすごくプロ的に評判のいい手で、時間がない中でよくこの手を指すなあってみんな感心したんですね」

―第2局は永瀬王座の入玉含みの粘りが印象的でした。

「永瀬王座はとにかく粘りますよね。負けにしても相手には楽をさせない。第2局は負けですが、ここまでいい内容で、好調を印象付けました。
第3局は序盤がすごくおもしろかったです。序盤で端歩を打診して、受けるか受けないかによって柔軟に作戦を決めるというタイプの戦型ですが、藤井さんがいままではほぼ端歩を受けていたのが、この対局で久しぶりに端歩を受けませんでした。そのあと▲7八玉と寄った手が少し危険なので、それを見事にとがめた、永瀬王座の研究が冴えわたる内容でした。いや、これもうずーっとね、ずーっとうまく指してるんですよ。だからこれは永瀬王座の快勝で終わるはずだったんです。はずだったんですよ。が、しかし、ひっくり返ってしまいましたね」

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