東大など、深海環境でのレアメタル資源探査・解析システムを開発
マイナビニュース / 2024年7月19日 18時20分
ワールドスキャンプロジェクトと東京大学(東大)は7月18日、金属探知センサ「ジカイ」と3D画像マッピングシステム「SeaXerocks3」を水中ドローン(水中用有索遠隔操縦ロボット:ROV)に搭載し、深海環境におけるレアメタル資源に関する情報を取得して解析するためのシステムを開発したことを共同で発表した。
また2023年には同システムを用いて、資源が有望視されている1700mの海底において磁気データの取得に成功し、磁気異常の計測(資源がある可能性となる証拠)に成功したことも併せて発表された。
同成果は、ワールドスキャンプロジェクトと東大 生産技術研究所のブレア・ソーントン准教授らの共同研究チームによるもの。
深海には、銅・鉛・亜鉛などのベースメタルや、リチウムイオン電池の材料などに使用されるコバルトなどのレアメタルを多く含んだ海底鉱物資源が点在することがわかっている。特に、日本は国土はあまり広くはないが、日本の領海に加えて排他的経済水域を合わせた面積は約447万平方kmで世界第6位と広大な面積を誇り、海底資源を採掘できれば、資源大国になれる可能性がある。
そのためには、どこの海底にどのような資源があるのか、資源の分布を詳しく把握する必要がある(すでに資源が確認されている場所も複数ある)。そこで求められているのが、水中ドローンやAUV(自律型海中ロボット)などの水中探査用の機体に搭載できる、深海の磁気異常を計測できるセンサーだ。
ジカイは、ワールドスキャンプロジェクトが開発した新型の金属探知センサで、磁気検出能力を活用し、海底の磁気異常を詳細に調査することができる。従来の金属探知センサとは異なり、水中ドローンのモーターが発するノイズや磁気を帯びた物体の影響を受けにくく、深海環境でも安定した性能を発揮することを特徴としている。
一方のSeaXerocks3は、ソーントン准教授らが開発した、カメラやシート状のレーザーおよびフラッシュの組み合わせにより構成され3D画像マッピングシステム。AUVやROVに搭載して、機体側のナビゲーションセンサ情報により位置制御が行われ、1.5~10m程度の高度から海底面の高精度の位置(緯度経度)、底質および微地形を測定することが可能のほか、機体側にナビゲーションセンサが搭載されていない場合には、SeaXerocks3に直接センサをつなげることもできるという。
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