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カレー沢薫の時流漂流 第309回 サイバー攻撃が巨大な社会問題となった現代、頑張れニコ動

マイナビニュース / 2024年7月22日 14時46分

画像提供:マイナビニュース

KADOKAWAが大規模サイバー攻撃を受けてから一か月以上が経ったが、未だ復旧の目途はたっていないようだ。

だが、そもそも私がこのKADOKAWAサイバー攻撃事件の詳細をわかっていると言ったら嘘になる。

「世の出来事を全てXで把握している」でおなじみの私が、最初にKADOKAWAが攻撃されたことを知ったのはXのトレンドに現れた「ニコニコ動画ダウン」の文字である。

トレンドだけでなく、私のTLの話題は「ニコニコ動画が使えない」に終始していたため、当初問題が起こっているのはニコニコ動画だけという認識になってしまっていた。

後日、ただの不具合ではなくサイバー攻撃だということがわかってきたのだが、相変わらず当TLはニコニコの話しかしていないため「この動画サイトといえばYouTubeのご時世にあえてニコニコをピンポイント攻撃とはチョイスが渋い」とすら思っていた。

その後、ハッカーからの攻撃を止めるため、エンジニアが直接データセンターに赴き、電源とケーブルをぶち抜くという、敵の機体に乗り込み中枢を物理破壊するハリウッド仕草をしたことが話題になり、復旧のめどがたたないニコニコ動画の代わりに「ニコニコ動画(Re:仮)を爆速で立ち上げたところでXでの話題はピークに達した。

ちなみにこのハリウッド仕草は「自爆」によりなされることが多いが、多分このエンジニアは存命である。

「ニコニコ動画(Re:仮)」では、かつてニコニコ動画で人気を博した動画がリバイバル配信されており、青春がニコニコの中にしかなかった我々ネット中年が見る走馬灯のようになっている。

この動きの早さは賞賛されたのだが、逆にネット中年が「やっぱ陰陽師アガるわ」と、懐かしさで死んだ時点で、少なくとも我がTL上でのKADOKAWAサイバー攻撃の話題はひと段落ついてしまった感がある。

しかし、この大規模障害は、内部のシステム脆弱性によりATMが定期強制メンテに入るみずほ銀行のような起こるべくして起こった自滅ではなく、はっきりとした外部からの攻撃である。

また攻撃した側も、人生がニコニコとXで構成されている極北の人間に「やっぱニコニコは必要な存在」と思わせたくてこんな大規模攻撃を仕掛けたわけではない。

犯人の目的は「身代金」と言われている。
過去、この連載でも「最近のウイルスはパソコンをロックし『元に戻してほしければ金を払え』と要求してくるタイプもあるらしい」と紹介した気がするが、まさにそれが大規模で起こってしまったということだ。

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