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NTT、パルス幅1.2psのグラフェンプラズモン波束をチップ上で転送することに成功

マイナビニュース / 2024年7月22日 15時26分

画像提供:マイナビニュース

日本電信電話(NTT)は7月22日、パルス幅1.2psのグラフェン中の自由電子の振動であるグラフェンプラズモン波束を電気的に発生・伝搬制御することに成功したことを発表した。

同成果は、NTT物性科学基礎研究所 量子科学イノベーション研究部 量子固体物性研究グループの吉岡克将 研究員、Guillaume Bernard実習生、若村太郎 研究主任、橋坂昌幸 特別研究員(東京大学 物性研究所 ナノスケール物性研究部門 准教授)、佐々木健一 主任研究員、佐々木智 主任研究員/上席ラボスペシャリスト、熊田倫雄 特別研究員/グループリーダ、物質・材料研究機構(NIMS) 電子・光機能材料研究センターの渡邊賢司 特命研究院、NIMS ナノアーキテクトニクス材料研究センターの谷口尚 センター長らによるもの。詳細は「Nature Electronics」に掲載された。

光波と電波の中間に位置するテラヘルツ(THz領域)は、近年の技術的進歩もあり、その活用に向けた研究開発が進められるようになってきた。中でも自由空間を伝搬するTHz波は、高速な無線通信やセンシング、イメージングなどでの活用が期待されるようになっている。しかし、回路中のTHz電気信号の制御技術は未だ発展途上にあり、一般的に集積回路が取り扱うことができる信号帯域はギガヘルツ(GHz)帯で律速されており、より高速な信号処理を実現するための新たな方法論を確立が求められていた。

グラフェンプラズモンはTHz波を極めて小さい領域に閉じ込め、かつ外部から電気的に波長などの性質 を制御することができることが先行研究から報告されており、THz波のフィルターやセンサーへの応用を目指した研究も進められているという。そのため、そうした特性を回路中のTHz電気信号でも扱えるようになれば、新しい超高速エレクトロニクス技術の道を拓くことが可能になると期待されているものの、そもそも電気的にTHz領域のグラフェンプラズモンを発生・制御できるのか、ということ自体が良く分かっていなかったという。

先行研究にて判明していたことは、静的な定在波の計測に留まっており、電気的にTHz領域のグラフェンプラズモンを発生・制御できるのかを理解するためにも、AからBといった異なる地点に対して信号を転送できること、および転送する信号の位相な振幅を制御できるのかどうかを確認する必要があり、今回、研究グループでは、THz電気パルスを使ってグラフェンプラズモン波束の発生・伝搬制御・計測を同一デバイス上で実現することを目指し、THz領域でグラフェンプラズモン回路の動作を実現するための新たな手法の開発に挑んだという。

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