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名言ななめ斬り! 第81回 清水ミチコが忘れられない言葉「世の中はむしろ、うまくいかないようにできていることを知った方がいいですよ」

マイナビニュース / 2024年7月23日 9時0分

上述した鬼ごっこのエピソードでもわかるとおり、清水さんは神経が細かすぎる部分があります。絶対合格するであろうと言われていた高校の受験の際も、プレッシャーに耐え切れず、途中で回答することをやめてしまったそうです。当然不合格になってしまいますが、清水さん本人は「しょうがない」と思っていたそう。しかし、不合格にショックを受けるご両親を見て、今度は自分も傷ついてしまう。しかし、清水さんは半分白紙の答案を出したことを今も後悔しておらず、「沸いてきた緊張と不安はハンパなかった」と当時を振り返っており、この性分は大人になっても直らないとも書いています。

人によっては「そんなに緊張する必要はない」とか「リラックスして」となぐさめることでしょう。しかし、私は清水さんの笑いの原動力は、緊張と不安にあるのではないかと思うのです。逃げ出したいほどの緊張、自分はもうダメだという不安があるからこそ笑いを求め、ネタを作る。聴衆が笑ってくれると、不安がほぐれる。医学的に見ても、笑うことでストレスや不安を軽減するドーパミンなどの脳内物質が分泌されることがわかっています。一般に緊張や不安は悪いものとされていますが、そこから清水さんのように何かを生み出せる人もいるわけで、“不安力”は決して悪いものではないと思うのです。
○恩師にかけられた忘れえぬ言葉「世の中はむしろ、うまくいかないようにできていることを知った方がいいですよ」

清水さんは短大を卒業してから、田園調布のデリカテッセンでバイトを始めます。ここのオーナーの女性のご親戚がラジオのプロデューサーで、ご紹介により、ラジオ番組に出演することになります。その林さんは清水さんの生みの親と言っても過言ではないと思いますが、ちょっとしたことで落ち込みがちな若かりし頃の清水さんに、林さんは「世の中はむしろ、うまくいかないようにできていることを知った方がいいですよ」と声をかけたそうです。

ちょっと冷たい言い方だと思う人もいるかもしれませんが、その後に「だから、立てた予定が思い通りうまくいった時や、たまにいいことがあったなんて時にはうんと喜ぶようにすればいいんです」と付け加えたそうです。清水さんは「いまだにこの言葉が忘れられません」と書いているので、相当響いたのでしょう。

不安が強い人というのは、いいことがあればあったで「今度は失敗するのではないか」と不安になってしまうもの。本人とてつらいのでしょうが、それは「今を大事にしない、他人の厚意を無下にする」ことにつながってしまいます。清水さんは「幸せになれないように出来ているから、一瞬の笑いも生まれるのかもしれません」「人生はあらゆる感情の中でも“悲しみ”とだけはより深い縁で結ばれているものなのかもしれません」とアンラッキーと笑いが表裏一体であると感じているようです。

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