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東大、火星大気中に塩化水素が広域かつ非一様に存在していることを観測

マイナビニュース / 2024年7月23日 14時53分

そして観測の結果、塩化水素の検出に成功し、低緯度域を含む火星全球に塩化水素が広く存在することが判明。また、塩化水素が南半球の高緯度域で多く存在し、大気中の水蒸気の量と強い相関があることが示されたとしている。

研究チームによると、観測された塩化水素の非一様な空間分布は、塩化水素の生成消滅や大気循環の結果によって生じるものであると考えられるとのこと。水蒸気量との相関は、水蒸気が塩化水素の生成消滅過程で重要な役割を果たしていることを示唆しているとした。

今回観測が行われたのは、火星南半球における夏の時期に相当し、南極域に存在する氷が昇華して水蒸気が大気中に供給される季節である。塩素は、それらの水蒸気が太陽光で分解されて生成する分子によって、大気中に浮遊するダスト粒子が酸化されることで生成されている可能性が考えられるという。

同じく塩化水素も、水蒸気の太陽光分解で生成される「ヒドロペルオキシルラジカル」と塩素の光化学反応によって生成される。生成された塩化水素は南半球から北半球へ大気循環によって輸送され、水蒸気が凝結し雲が生成される際に塩化水素が吸収消失する可能性も示唆されたとする。

火星の地表面に存在する塩素を伴う塩(過塩素酸塩)は反応性が強く、生命に有害な物質ともいえるとのことで、研究チームは、今回の研究によって解明された大気中の塩素循環が、地表面に存在する塩がどのように生成されたのかを明らかにする手がかりとなるとしている。
(波留久泉)



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