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成蹊大など、25Tの高磁場下で鉄系超伝導材料中で最高臨界電流密度を達成

マイナビニュース / 2024年7月23日 19時1分

さらに、別の超伝導材料である「FeSe1-xTex薄膜」、「BaFe2(As1-xPx)2薄膜」、そしてYBa2Cu3Oy薄膜においても、今回の新指針が臨界電流密度の向上に有効であるのかどうかを検討したとのこと。具体的なチューニングパラメータ制御は以下の通りだ。

FeSe1-xTex薄膜:テルルの量を変えることで化学圧力を制御
BaFe2(As1-xPx)2薄膜:リンの量を変えることで化学圧力を制御
YBa2Cu3Oy薄膜:酸素の量を変えることでキャリア(正孔)密度を制御

これにより、いずれの材料でも対破壊電流密度および磁場中臨界電流密度の向上が確認されたとする。

さらに、チューニングパラメータ制御と磁束ピン止め点を融合することで、BaFe2(As1-xPx)2薄膜およびYBa2Cu3Oy薄膜においても飛躍的な臨界電流密度の向上に成功した。

今回の研究により、革新的な高臨界電流密度を有するSmFeAsO1-xHx薄膜を創製することに成功。それにより、液体ヘリウムを冷媒とする、以下の装置などへの応用が期待されるという。

大型ハドロン衝突型加速器[~20T]
核融合発電[~20T]
分子構造解析に用いられる核磁気共鳴(NMR)装置[~24T]
研究用磁気共鳴断層撮影(MRI)装置[~10T]
医療用MRI装置[~3T]
リニアモーターカー[~1.5T]

また、液体ヘリウムよりは沸点の温度が高い液体水素(約-253度)を冷媒とする、以下の装置などへの応用も期待されるという。

超伝導送電
超伝導電力貯蔵装置[~9T]
航空機用超伝導モーター[~3T]
発電機[~3T]

研究チームは今後、今回の設計指針が、幅広い超伝導材料の臨界電流密度向上に貢献することが大いに期待されるとしている。
(波留久泉)



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