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早大など、進化の過程で失われた可能性がある幻のタンパク質構造を発見

マイナビニュース / 2024年7月23日 19時11分

またDZBB構造は、リボソームに含まれるRIFT構造・OB構造と構造類似性が認められたという。そこで、DZBB型タンパク質からRIFT型構造・OB構造への変換が実験的に試みられた。その結果、DZBB-RIFT構造間の変換は1つの短い配列の欠失、DZBB-OB構造間の変換は1つの短い配列挿入と5つのアミノ酸置換のみで達成しうることが突き止められた。さらに、作成されたOB型のタンパク質改変体を循環置換させたタンパク質が、SH3構造を形成することも実証したとする。

研究チームによるとこれらのタンパク質進化の実験は、DPBB、RIFT、OB、SH3の4つの異なるβバレルタンパク質構造が、同じ祖先タンパク質から進化してきたこと、その進化の過程ではDZBBという、今は失われた進化中間体構造があった可能性を強く示唆するという。そしてこの結果は、転写反応を司るRNAポリメラーゼと翻訳反応を司るリボソームが共通の祖先タンパク質から誕生したことを裏付ける証拠だといえるとした。

加えて、今回の研究では従来考えられてきたよりも少ない遺伝子変異だけでタンパク質構造の進化が起こることも発見。つまり、非常に短時間でこれら4種のβバレル構造が誕生した可能性が示されているとしている。

今回の研究成果は今後、リボソームやRNAポリメラーゼなどの巨大な分子がどのように誕生してきたのか、遺伝子発現機構がどのように誕生してきたのかといった謎を探る上で、重要な道標になることが期待できるという。また、タンパク質の初期進化を探求する上でも、重要な視点を与えるものといえるとする。

また研究チームは今後、各βバレルタンパク質がDNAやRNAとどのように結合し、どのように機能するのかを解明していくことで、タンパク質と核酸による共進化の歴史も解明できる可能性があるとしている。
(波留久泉)



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