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東北大、6G通信向けの「三次元バルクメタマテリアル」を開発

マイナビニュース / 2024年7月24日 20時20分

またMMを用いることで、高い屈折率や屈折率分散特性の波長帯をニーズに応じて設計できることは、産業応用上で大きな利点となるという。そして、3DBMMは二次元平面的に配列されたMMと異なり、等方的な光学特性が実現でき偏光依存性が解消されるため、汎用性の高いレンズ・プリズムの実現が期待されるとしている。

MM内包粉体は、金で構成される二層SR共振器がシクロオレフィンポリマー(COP)に内包された粉体で構成されており、開発されたMMは粉体として供給可能とする。THz波の波長よりも小さな数百μm程度の大きさのMMが内包された樹脂製粉体を液状樹脂に攪拌し、型を用いて凝固させることで、任意形状かつMMの設計に応じた屈折率特性を持つ3DBMMを製作できるとした。

3DBMMは、透明樹脂のCOP中にMM単位構造が三次元的に方向依存なく分散された構造のため偏光依存性が解消され、等方的な光学特性が実現できるという。一例として、金型成形により、直径16mm・厚さ1.3mmの3DBMMの製作に成功したとする。それを拡大して観察すると、MM単位構造の二層SR共振器が三次元的に不規則に配置されていることがわかるという。そして周波数0.315~0.366THzにおいて、屈折率を1.577~1.459まで変化させることに成功した。

屈折率変化率とMM粉体の密度Dの関係を調べると、屈折率変化率はDの増加に伴って直線的に増加。D=25%では0.525、D=50%では1.089、D=100%では2.314となり、この傾向は線形フィットでき、Dにより3DBMMの光学特性を制御できることが実証された。

今回の研究では、研究チームがこれまで開発してきた3DBMMの屈折率変化率の向上が実現された。大きな屈折率変化率を持ち、その特性はバルク成型時のMMの密度調整で制御可能で、さらに易加工性をも可能とするものだ。これにより、ユーザーは3DBMMを自在に加工し、THz光学素子を製作できるようになるという。THz波は、6G用の技術をはじめ、生物や物質の非破壊検査や分光分析に使われるため、幅広い分野での応用の加速が大いに期待されるとしている。
(波留久泉)



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