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imecの研究者が解説 - 先端3D SoCにおける効率的なESD保護対策 第3回 これまでの研究・調査で得られたESDに関する5つの知見

マイナビニュース / 2024年7月26日 6時30分

画像提供:マイナビニュース

今までに得られたESDに関する5つの知見

imecでは、今までの研究や調査で、ESDに関して以下の5つの知見を得ている。
○1. 電圧抑制効果によりESD保護回路の必要性が低減

内部I/OピンにESD保護回路がない場合、非常に低いESD電圧でも敏感な内部I/O回路が破損する可能性がある。幸いなことに、ボンディングステップでは、電圧抑制効果という重要な効果が有利に働く。ダイ・ツー・ウェハまたはウェハ・ツー・ウェハのボンディング中、ダイ/ウェハとターゲットウェハは平行板コンデンサーと見なすことができる。物理法則に従い、ダイ/ウェハがターゲットウェハに近づくと間隔が狭まるため、その静電容量が増加する。これにより、脅威となる静電電圧が大幅に減少する。

imecの研究者は、簡素化されたハイブリッドボンディング実験セットアップでこの効果を確認した。測定結果によると、この効果は、ダイ・ツー・ウェハボンディング構成よりもウェハ対ウェハボンディングの方がはるかに顕著である。予備的な結果では、ウェハ・ツー・ウェハボンディングではESD保護が不要である可能性があることが示唆されているが、実際のボンディングプロセスでこの効果がどの程度強くなるかを調べるには、さらなる研究が必要である。

○2. ボンディングツール開発者への呼びかけ:ボンディングツール内にESD防止機能を導入

上記の実験からわかるように、電圧抑制効果の有効性にはいくつかの要因が影響している。その1つは、ダイまたはウェハホルダーからの寄生容量である。これは、ホルダーからの寄生容量を最小限に抑えるなど、ボンディングツール自体がESD防止に重要な役割を果たすことができることを示している。もう1つの例は、ダイ対ウェハアセンブリツールにカスタム空気イオン化ソリューションを組み込むことである。これにより、ツール内でダイを安全に放電することができる。
○3. ESD保護回路を設計する際には、保護回路からの直列抵抗を考慮する必要

外部ESD制御対策で完全に破壊を防止できない場合は、ESD電流を排出するために内部ESD保護回路が不可欠である。前述のように、これらの回路に使用できるスペースは限られている。しかし、いくつかのことを考慮することにより、過剰設計を回避し、面積の消費を減らし、内部I/O回路のパフォーマンスを維持することができる。

imecの研究チームは、ESDイベントが保護回路に到達した後のESDパルス形状を分析した。チームは、ESDパルスの立ち上がり時間が速い(22ps)ことを観察した。これは、一般的なCDMパルスよりもはるかに高速である。さらに、相互接続金属線とESD保護デバイス自体から生じる直列抵抗は、ESDパルス形状に大きな影響を与える。たとえば、直列抵抗が高い細い相互接続線は、ESDパルス形状にプラスの影響を与える傾向があり、CDM放電が遅くなり、ピーク電流が小さくなる。

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