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【トーク部分、ほぼ全文掲載】藤井聡太名人就位式「名人戦の舞台で将棋の難しさと向き合えたのは大きな財産」

マイナビニュース / 2024年7月26日 11時30分

画像提供:マイナビニュース

第82期名人戦七番勝負(主催:朝日新聞社、毎日新聞社)で、豊島将之九段の挑戦を4勝1敗で退け、名人初防衛を果たした藤井聡太名人の就位式が、7月24日、東京・文京区「ホテル椿山荘」で多くのファンを集めて開かれた。本稿では、式典の模様をお伝えするほか、藤井名人が今シリーズについて振り返ったミニトークコーナの内容をほぼ全文ご紹介する。

最初に挨拶に立った、中村史郎 朝日新聞社代表取締役会長は「藤井名人は今回のシリーズを振り返って『温故知新』という言葉を挙げられているが、AI研究をベースにした近年のトレンドとはひと味違う戦いが繰り広げられた。難しい勝負が続く中で拠り所にしたのは、先人たちの戦い。昨年の名人獲得から、中原誠十六世名人や米長邦雄永世棋聖たちの棋譜を並べて勉強し、新鮮で大いに役立ったと語られており、先人の感覚を取り入れつつ新たな工夫を加えて進歩していくことはまさに温故知新であり原点回帰ともいえる。AIがどんなに進歩したとしても、過去の対局に学びやヒントが隠されているところに将棋の深さや面白さを感じる」と述べた。

温故知新については、松木健 毎日新聞社代表取締役社長も触れた上で「随所で研究の深さが感じられた一方で、両者が午前中からじっくり考え込んで構想を練る場面は、長年続いてきた名人戦の光景そのもの。AI時代の将棋に伝統を掛け合わせた新しい将棋に、ファンも大いに盛り上がったと思う」と述べた。

藤井名人には、羽生善治 日本将棋連盟会長から名人推戴状が。中村史郎 朝日新聞社代表取締役会長から賞金目録がそれぞれ手渡された。

また、今年で協賛20年を迎えた大和証券グループからは、記念品として藤井名人の希望で「電動アシスト自転車(26インチ)」が、鈴木直樹 大和証券常務取締役より贈られた。

就位式の最後に謝辞に立った藤井名人は「今期の名人戦は、私にとって初めての防衛戦で、昨年以上に身の引き締まる思いがあった。対局を振り返ると、1局ごとに異なる戦型になり、新鮮な気持ちで盤に向かうことができた。その一方で、経験の少ない展開においてミスも少なからず出てしまい、自分自身の力不足を実感するところもあった。それでも最も持ち時間の長いこの名人戦の舞台で将棋の難しさと向き合うことができたのは、本当に大きな財産になったと感じている。その経験を生かして今後も実力を高めていけるよう一層を精進していきたい。今回のシリーズでは、初めて伺う所も多く、各地の名所や観光スポットを楽しんだり、またアザラシと触れ合ったりと、盤外においてもさまざま経験をすることができた」と語った。

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