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バイプレイヤーの泉 第136回 『1122いいふうふ』西野七瀬「え? この人が?」と視聴者を迷子にする演技が最高

マイナビニュース / 2024年7月27日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

幼少期から熱血ドラマオタクというエッセイスト、編集者の小林久乃が、テレビドラマでキラッと光る“脇役=バイプレイヤー”にフィーチャーしていく連載『バイプレイヤーの泉』。

第136回は女優の西野七瀬さんについて。輝かしいアイドル時代のイメージが強かっただけに、芝居人としての彼女を多く知らない。ただ今回の『1122 いいふうふ』(Prime Video)で演じた柏木美月役は、良い意味で強烈だった。今までの彼女に対するパブリックではない、勝手なイメージも覆ってしまったので、その感想を記したい。
○生活に疲れた専業主婦の役が似合う

現在Prime Videoにて配信中『1122 いいふうふ』のあらすじを。

フリーランスのWEBデザイナー・相原一子(高畑充希)と会社員の二也(岡田将生)は仲の良い夫婦……ではあるのだが、実はセックスレス。妻公認の元、二也は毎月第三木曜の夜になると、柏木美月(西野七瀬)と不倫をしている。美月もまた、かつて同僚だった夫の志朗(高良健吾)がいるという、W不倫。一子も公認とは言いながら、複雑な気持ちを抑えきれないでいた。

この作品、既婚、未婚に関わらず、人との対峙、自分との向き合い方を教えてくれるドラマ。そんなことを書くと「よくある感想だ」と、無粋な一文に読めるかもしれないが、実際にこれ以上の表現が見当たらないほど、繊細にドラマが作られていた。

つい世間体を気にして「自分がどうしたいのか」に思い迷う一子。ただ思い切りのいい性格で、家庭ではどちらかというと引っ張っていくタイプに見えた。反するように優しさが滲み出ている、二也。でも一旦キレ始めると止まらないのは、女性らしい……と書くと、昨今、問題視されそうだ。しかし、演じた岡田将生はとんでもないイケメンなのに「あれ? ちょっと違う?」という疑問を抱かせる役が本当に上手い。エリートで自分主義の志朗を演じた高良健吾も同じく。ちょっとヤバくて、嫌な奴を演じさせたら完璧で、そこから徐々に変わっていく姿を魅せる演技も本作では、じわじわと伝わってくる。

役者の小さな機微が肩を寄せ合うようにして、『1122 いいふうふ』はできている。そしてもうひとり、柏木美月がいる。愛する一人息子は発達障害を抱えており、育児にとにかく手がかかる。そんな時に手を差し伸べてくれたのが華道教室で出会った、二也だった。
○突然変異する女性の表現が見どころ

美月を演じた西野七瀬は、登場したシーンから全く冴えなかった。歌番組で見かけていた時は、可憐さを振り撒いていたのに可愛くなかった。演じた美月はひたすら疲れていた。普通の家事育児だけでも心身をすり減らすのに、発達障害の息子は母に手加減してくれない。夫は歩み寄ることもせず「家のことは任せるから」と、昭和の親父のようなセリフを吐く。そして求めてくるのは体ばかり。

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