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身体バランスを即安定させる新たなウォーミングアップ方法を宇大などが提案

マイナビニュース / 2024年7月29日 10時29分

画像提供:マイナビニュース

宇都宮大学(宇大)、常葉大学、筑波大学の3者は7月26日、眼球運動および両手協調運動を組み合わせたトレーニングによって、アスリートのバランスを即時的に安定させることを見出したと共同で発表した。

同成果は、宇大 共同教育学部の松浦佑希准教授、筑波大の坂入洋右教授(現・常葉大所属)らの共同研究チームによるもの。詳細は、スポーツ医学に関する全般を扱う学術誌「Open Access Journal of Sports Medicine」に掲載された。

今まさにパリオリンピックが開催中だが、スポーツでは身体を極限まで使う必要があるため、どの競技のアスリートにとってもケガはつきものであり、ケガでその競技の継続を断念せざるを得なくなった選手も多い。そうしたケガのリスクを減らせるトレーニング方法も近年は発達してきており、今では「バランストレーニング」が知られている。同トレーニングはスポーツにおけるケガのリスクを軽減させるだけでなく、機能的パフォーマンスの向上に役立つことが示されている。

これまで主にバランストレーニングとして実施されてきた内容としては、安定/非安定面上での開眼/閉眼状態での両足/片足の立位、バランストレーニングと筋力トレーニングを組み合わせたトレーニングなどが挙げられる。これらは長期的なトレーニングによって効果が得られることが確認されているが、ウォーミングアップとして行う場合は注意が必要とのことで、その運動直後にバランスを改善する効果はなく、短期的にはアスリートのバランスの安定に悪影響を及ぼすことが報告されているという。

ウォーミングアップは、筋繊維の伝導体性感覚系、体性感覚系の効率などを高めるなど、最適なパフォーマンスを達成するために必須のものであり、そのような場面で即時的にバランスを改善するウォーミングアップ運動も必要であるといえる。そこで研究チームは今回、姿勢やバランスの維持に直接的に関わる前庭系に直接的にアプローチをすることによってバランス能力を改善させる“眼球運動”に着目したとする。眼球運動によってバランスを改善させる効果については、脳卒中などのリハビリテーションの分野中心にして研究報告がなされている。また姿勢やバランスの維持には、前庭系だけでなく、小脳も深くかかわっていることから、小脳による制御および活性化と深く関わる両手協調運動も着目された。

そこで今回の研究では、前庭系に対して有益である眼球運動と、小脳を活性化させる両手協調運動を組み合わせて実施することにより、バランスに対してより有益な効果が得られるという仮説を立て、検証したとのことだ。この実験には、健康な大学生アスリート30名が参加し、以下の3条件のトレーニングが実施された。

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